ゲーム雑誌のデータ分析(修正版)

Gayaline

前回、ゲーム雑誌の刊行データをもとにグラフを作って分析を行いましたが、その段階では見落としていた雑誌が多数あることが判明したので、修正後のデータを反映したグラフを作り直しました。


 前回は、「ゲーム雑誌のジャンル・刊行期間データ」を集計していろいろなグラフを作成してみたが、どうにも取りこぼしがたくさんあることがわかったので、調べ直して追加した。

 先週の段階では200ほどの雑誌がリストにあったが、今回は300近くになった。その中には刊行情報が不足しているものも多く、すべてが分析に加えられるわけではないが、それでも数十の雑誌の詳細データは得られたので結果も変化する。

ゲーム雑誌の刊行時期一覧表

 「ゲーム雑誌の刊行時期一覧表」もアップデートした。扱う雑誌数が増えたのを反映して、「オンライン」「女性向け」「子供向け」「単独作品」「企業刊行」のカテゴリーを追加。全体数としてもかなり増えた。

ゲーム雑誌の刊行時期一覧表

ゲーム雑誌の年ごとの創刊・休刊数

 以下は、前回のゲーム雑誌のデータ分析の内容と見比べてみてほしい。まずは創刊・休刊数である。

どちらも数は増しているが、全体的に1993-2001のピーク期が底上げされた感じである。休刊は2015年がさらに集中しているが、これはシューティングゲームサイド、ロールプレイングゲームサイド、フロンティア通信、戦国BASARAマガジンが加わったためだ。

 先ほどのグラフとは逆である改題数も少し変化した。

年ごとの刊行されていたゲーム雑誌数

 再度刊行リストの継続雑誌を統合し、色のついたセルを数えると次のようになった。

以前のものに比べると、2000-2015年ごろが増加しているが、これはオンラインゲーム雑誌、女性向け雑誌、企業刊行雑誌などがプラスされた結果である。大きなゲーム雑誌の増加はこの時期にはないとしても、こうしたサブジャンルでの雑誌は結構伸びていたのだ。

年ごとの刊行されていたゲーム雑誌数・ジャンル別

 サブジャンルの雑誌は21世紀に入ってから伸びたが、主要ジャンルについてはどうだろうか。次のグラフを見てみよう。

こちらは前回に比べてそこまで変わっていないが、やはり2005-2010年ごろに総合誌やAC誌が追加され、多少の増加を見せていたことがわかる。となると直前のピーク期からは下降の一途ではなく、一時期持ち直してもいたわけだ。

 次に線グラフでこれを表示してみよう。

前回に対して任天堂、ソニー、セガ系の雑誌はさほど変化はないが、初期のPCとゲーム総合誌、アーケード誌は多少増えている。ただし総合誌などは、結果として2011年以降の激減が目立つようになっている。

 ついでに、サブジャンルとした美少女や女性向け、オンラインなどの刊行数も見てみよう。

予想される通り、美少女誌以外はいずれも2000年代後半にかけて伸びている。「ビバ!テイルズオブマガジン」や「戦国BASARAマガジン」などの特定作品、「B’s-LOG」「オトメスタイル」などの女性向け、「キャラぱふぇ」などの子供向けはこの時期に刊行数が増えたのだ。この、2000年代後半から2015年ごろまでのサブジャンルブームといえる流れは、今回調べてみて新たにわかったことといえるだろう。


 このようにゲーム雑誌のデータを片っ端から収集し、集計したことで、ゲーム雑誌業界の変動がますます見えてきたように思われる。もう少し準備を整えてから、今度こそ「ゲーム雑誌の歴史」にチャレンジしてみたい。

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