ファンタジー博物館 | ||||
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ゲームなどに登場する幻想動物やアイテムの由来や特徴を、解説つきで紹介しています。 元ネタとなる神話や、スペルを調べるのにも使えます。 | ||||
「幻獣たちの王」 ドラゴン族 | 「法の守護者」 天使族 | 「堕落せし者ども」 悪魔族 | ||
「天空への夢想」 鳥族 | 「悪意なき幻獣」 妖精族 | 「英雄の条件」 武器類 |
サタン Satan ヘブ:שׂטן(ヨブ1:6) 蛇や竜の姿で記述される。 「神の敵」を意味する聖書にたびたび登場するもっとも有名な悪魔であり、堕天使。アダムとエヴァを誘惑して知恵の実を食べさせた蛇もサタンだとされ、「ヨハネの黙示録」では世界を惑わす蛇とされる。神への反逆を企み、多数の天使たちとともに天界を追放された。 「イザヤ書」の記述から、天使だった頃はルシファーLuciferと呼ばれていたと考えられるようになった。ルシファーはもっとも信頼されていた大天使だが、神が人間を自分たちより優遇したことに嫉妬し、反逆を企んだとされる。 |
ベルゼブブ Beelzebub ヘブ:בעל זבוב(列王記下1:2) ギリ:Βεελζεβουλ 巨大な蝿の姿をとる。 邪悪さでサタンに次ぐとされ、地獄の最高君主とも呼ばれる。作物を荒らし、病気や死をもたらす蠅の害を引き起こすことも、それを止めることもできる。フランス語読みはベルゼビュート。 |
ベリアル Belial ヘブ:בליעל(サムエル上10:27) ギリ:Βελιαρ 炎の戦車に乗った天使として現れる。 聖書の記述は、放縦な者や反抗者を意味している。見た目は美しいが、性質は堕落しきっており、相手を欺くことを目的としている。 |
マモン Mammon ギリ:μαμωνας ケチな老人の姿で描かれる。 マンモンとも。元は富や金を意味するシリア語の言葉だったが、新約聖書に「あなたがたは神と金(マモン)に同時に仕えることはできない(マタイ6:24)」と記されていたため、金銭欲・貪欲の悪魔とみなされた。 |
アスモデウス Asmodeus ギリ:ασμοδαυς 竜に乗り、牡牛、人間、牡羊の3つ頭をもつ。尾は蛇、足はガチョウで、炎のような息を吐くという。 聖書外典「トビト書(3:8)」に現れる悪魔でアスモダイとも。悪魔学では破壊の魔神とされ、放蕩や過ちの種をまく。元はペルシアの悪霊アエシュマ・デーヴァに由来している。 |
レヴィアタン Leviathan ヘブ:לויתן(イザヤ27:1) 巨大な海蛇やワニの姿で描かれる。 英語読みではリヴァイアサン。ビヒモスとともに神に創造された怪物で、海に住み、あらゆる獣の上に君臨しているという。特に悪事をなすという記述はないが、後に悪魔や、罪の象徴とみなされるようになった。 |
ビヒモス Behemoth ヘブ:בהמות(ヨブ40:15) 巨大な腹をしたカバや象だと考えられている。 ベヘモットやベヒーモスとも。レヴィアタンとともに神に創造された怪物で、陸に住む。巨大でたくさん食べるとしか記されていないが、ここから後には暴食を誘う悪魔とみなされた。イスラムの伝承に出てくる巨大魚のバハムトBahamutとも語源的に関係していると言われている。 |
アザゼル Azazel ヘブ:עזאזל 山羊と人間が混ざった姿で、山羊を別に連れている。 アゼルとも呼ばれる。「レビ記(16:8)」で神とは別に山羊を捧げる対象として触れられる。堕天使とも呼ばれ、地獄の軍団の旗手を務めるとされている。 |
リリス Lilith ヘブ:לילית 少なくとも女性である。 「イザヤ書(34:14)」で言及される。ヘブライ語ではリリト。元は周辺地域で信じられていた吸血鬼のような悪魔らしい。その後秘教の伝統では、アダムとともに最初に創造された女性とみなされた。しかしリリスはアダムを嫌って彼の元から飛び出し、人間に害をなす悪魔となったという。 |
アバドン Abaddon ギリ:Αβαδδων イナゴの怪物を操るが姿は不明。 「ヨハネの黙示録(9:11)」に記された第五の災い(イナゴの害)をもたらすもので、底なしの穴に住む。別名アポリオン。神の指示に従って働いているはずだが、悪魔扱いもされる。また底なしの穴そのものとみなされることもある。 |
バール Baal ヘブ:בעל(民数記25:3) ギリ:βεελ バエルとなった場合、猫やカエルの頭をもつとされる。 元来はセム人の豊穣の神で、それが悪魔化された。後の悪魔学では地獄の大公爵とされた他、バエルと呼ばれて別扱いされる場合もある。王や主を意味する言葉であり、ベルゼブブやバールゼフォン(ヘブ:בעל צפן、出エジプト14:2)のように派生系の名称をもつ神も多い。 |
ベルフェゴール Belphegor 便器に座る姿で知られる。 人間不信を象徴する悪魔とされるが、コラン・ド・プランシーは彼を発見と創意発明の魔神とし、若い女に化けるとした。便器や排泄物がベルフェゴールに捧げられたとも言われている。 元来はバール・ペオル(ヘブ:בעל פּעור、詩篇106:28)というアッシリアの神に由来する。 |
ダゴン Dagon ヘブ:דגון(士師記16:23) ギリ:δαγων 人間の上半身と魚の下半身を持つとされる。 元はペリシテ人の神で、アッシリアのオアンネスと同一視されている。悪魔となってからは、地獄宮廷のパンの製造と管理を担当しているという。 |
アドラメレク Adramelech ヘブ:אדרמלך ギリ:αδραμελεχ 孔雀の羽根をつけたラバの姿をとる。 「列王記下(17:31)」で言及されるアッシリアの神。後には悪魔とされ、地獄の大法官とされた。 |
モレク Molech ヘブ:מלך 玉座に座る牛の頭の人の姿で描かれる。 モーロックとも呼ばれる。「列王記上(11:7)」で言及されるアンモン人の神。モレクの象徴として、牡牛の頭をもつ人のブロンズ像が造られ、中に子供の生贄が投げ込まれ、火がつけられたという。この様子から悪魔とみなされた。 |
アスタロト Astaroth 天使の姿をとり、蛇や竜に乗って現れる。 聖書に言及はなく、後に広まった悪魔。悪魔学では、地獄の軍勢の中でも最上位の大公爵。過去と未来の知識を伝えることができる。元来はバールの妻であるフェニキアの女神アスタルテが悪魔化されたもの。 |
バフォメット Baphomet レヴィが描いた羽と乳房をもった山羊頭の姿が著名。 中世に悪魔そのものか、悪魔の一体とされた存在で、イスラム教の開祖マホメット(ムハンマド)との関連が推定されている。テンプル騎士団の間でバフォメット崇拝が蔓延したとされ、後に「サバトで崇拝される山羊の悪魔の像」というイメージが広まった。 |
インプ Imp 小さい悪魔の姿が典型的。 元々は子供を意味した言葉だが、徐々に魔女の使い魔や悪魔の子供を指すようになった。そのため魔女や悪魔の下働きをするものとして描写される。 |
ガーゴイル Gargoyle 動物や悪魔の像としてゴシック建築に見られる。 元来は建物の雨樋を動物の姿に装飾したもの。鬼瓦のように魔除けの意味がこめられているとされる。後にこれ自体が悪魔と考えられるようになり、動き出す石像というイメージが定着した。 |
メフィストフェレス Mephistopheles 姿はさまざまに描かれている。 悪魔を呼び出して契約を交わしたとされるヨーロッパの「ファウスト伝説」に登場する悪魔。もっとも有名なのはゲーテの『ファウスト』で、ここではファウストは彼が満足したら魂を支払うという契約を行った。 |
インキュバス Incubus 羽をもった典型的な悪魔としてイメージされる。 「上になるもの」を意味し、ラテン語読みではインクブス。夢魔の一種であり、寝ている女性と交わる。気に入った魔女とは使い魔関係になるとも言われる。 |
サキュバス Succubus インキュバスと同様。 「下になるもの」を意味し、ラテン語読みではスクブス。インキュバスとは反対に寝ている男性と交わる。両者は自由に姿を入れ替えられると言われ、サキュバスとして集めた精液をインキュバスになって女性に移すとみなされた。 |
レオナール Léonard 三本の角のある山羊の頭をもった貴族の姿。 コラン・ド・プランシーの『地獄の辞典』に記載されている悪魔で、サバトの総帥、下級魔神の長とされる。ラテン語読みではレオナルド。魔女や魔法使いの集会を取り仕切る役割がある。 |
バラン Balan 熊に乗り、牡牛の頭をもつ。山羊と人間の頭と合わせて3つの頭をもつこともある。 『地獄の辞典』に記載されている悪魔で、地獄の偉大にして恐るべき王とされる。かつては主天使の地位にあったものの、現在は地獄の四十軍団の指揮をしているという。 |
アラストール Alastor 角のある動物の頭をもち、剣を手にしている。 同じく『地獄の辞典』に記載されている地獄の死刑執行人。また復讐の神の役目を務め、悪事を働いた者に逃れられない罰を下す。 |
エウリノーム Eurynome 巨大な歯をもち、傷だらけの体で、狐の皮をかぶっている。 『地獄の辞典』に記載の上級魔神で、死の王とされる。ハゲタカのように死骸を食らうという。 |
名称 | 意味 |
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アリキーノAlichino | 道化師 |
バルバリッチャBarbariccia | 巻きひげ |
カニャッツォCagnazzo | 汚い犬 |
カルカブリーナCalcabrina | 霜を踏むもの |
チリアットCiriatto | 野ブタ |
ドラギニャッツォDraghignazzo | 大きな竜 |
ファルファレッロFarfarello | 小鬼 |
グラッフィアカーネGraffiacane | 犬を引っかくもの |
リビコッコLibicocco | リビアの風 |
マラコーダMalacoda | 邪悪な尾 |
ルビカンテRubicante | 怒る赤い顔 |
スカルミリョーネScarmiglione | 厄介者 |
階級 | 属する悪魔 |
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すべての王 | ルシファー |
熾天使 | ベルゼブブ レヴィアタン アスモデウス |
智天使 | バルベリトBaalberith |
座天使 | アスタロト ヴェリヌVerrine グレシーユGresille ソネイヨンSoneillon |
能天使 | カローCarreau カルニヴォーCarniveau |
主天使 | オイエOeillet ロジエRosier |
権天使 | ヴェリエVerrier |
力天使 | ベリアスBelias |
大天使 | オリヴィエOlivier |
天使 | ジュヴェアJuvert |
1.バエル | 2.アガレス |
3.ヴァッサゴ | 4.ガミジン |
5.マルバス(バルバス) | 6.ヴァレフォル |
7.アモン | 8.バルバトス |
9.パイモン(ペイモン) | 10.ブエル |
11.グシオン | 12.シトリー |
13.ベレト | 14.レライエ(レライカ) |
15.エリゴス | 16.ゼパル |
17.ボティス | 18.バティン(マルティム) |
19.サロス(サレオス) | 20.プルソン(クルソン) |
21.マラクス(モラクス) | 22.イポス |
23.アイム(ハボリム) | 24.ナベリウス(ネビロス) |
25.グラシャ=ラボラス(カークリノラース) | 26.ブネー(ビメー) |
27.ロンウェー | 28.ベリト(ベアル、ボルフリー) |
29.アスタロト | 30.フォルネウス |
31.フォラス | 32.アスモダイ |
33.ガープ | 34.フルフル |
35.マルコシアス | 36.ストラス(ストロス) |
37.フェニックス(フェネクス) | 38.ハルファス(マルトゥス) |
39.マルファス | 40.ラウム |
41.フォカロル | 42.ヴェパル |
43.サブナック | 44.シャクス(シャズ) |
45.ヴィネ | 46.ビフロンス |
47.ヴアル(ウヴァル) | 48.ハーゲンティ |
49.クロケル(プロケル) | 50.フルカス |
51.バラム | 52.アロケス(アロケル) |
53.カイム(カミオー) | 54.ムルムル |
55.オロバス | 56.ゴモリー(グレモリー) |
57.オセ(ヴォソ) | 58.アミィ(アウナス) |
59.オリアス(オリアクス) | 60.ヴァプラ(ナフラ) |
61.ザガン | 62.ヴォラク(ウァラク) |
63.アンドラス | 64.フラウロス(ハウレス) |
65.アンドレアルフス | 66.キマリス(キメリエス) |
67.アムドゥシアス(アムドゥキアス) | 68.ベリアル |
69.デカラビア | 70.セーレ(セイル) |
71.ダンタリオン | 72.アンドロマリウス |
もっと知りたい人のための資料案内 | ||||
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・コラン・ド・プランシー著、床鍋剛彦訳『地獄の辞典』講談社 ・フレッド・ゲティングス著、大瀧啓裕訳『悪魔の事典』青土社 ・ポール・ケーラス著、船木裕訳『悪魔の歴史』青土社 ・真野隆也著『堕天使 悪魔たちのプロフィール』新紀元社 ・山北篤、佐藤俊之監修『悪魔事典』新紀元社 |