関連コンテンツ ファイアーエムブレムの歴史 制作スタッフデータ |
タイトルインデックス | |
---|---|
暗黒竜と光の剣 外伝 紋章の謎 聖戦の系譜 アカネイア戦記 トラキア776 封印の剣 烈火の剣 | 聖魔の光石 蒼炎の軌跡 暁の女神 新・暗黒竜と光の剣 新・紋章の謎 覚醒 if その他 |
資料名 | |
---|---|
ファイアーエムブレム百科(小学館刊) | |
登場スタッフと役割 | |
加賀昭三(ゲームデザイナー) | |
トピック | |
本作のジャンル | ジャンルはロールプレイング・シミュレーション。システムはシミュレーションで、それぞれのキャラクターに感情移入できる点がRPG的。 |
一般的なRPGとの違い | 人それぞれのプレイ方法がある点。プレイヤーのオリジナリティーが入る余地がある。キャラの使い方も千差万別。「初めは、どうでもいい、捨てるキャラクターだと思っていても、大事にしてやると、とんでもなく強くなってしまうようなことが、けっこう用意されています」 |
難易度について | シミュレーションとしては簡単で、誰にでもプレイしてもらえるような難易度になっている。できるだけ数字のデータは排除してわかりやすくした。 |
資料名 | |
---|---|
ファイアーエムブレム外伝百科(小学館刊) | |
登場スタッフと役割 | |
加賀昭三(チーフデザイナー) | |
トピック | |
システム変更の意図 | ユニットに対する感情移入をより深めるため。前作で不評だったマップ上での面倒な作業を減らすため。 |
戦略性について | 前作より戦略性は減ったといえるが、その代わりに全体マップでの動かし方を考える要素がある。敵の思考パターンは前作より改良された。 |
敵ユニットについて | 魔女が理不尽にならないよう、バランス調整には苦労した。敵ユニットは前作より特徴をはっきりさせている。 |
ストーリーについて | ダブル主人公にしたのはストーリーに厚みをもたせるためと、使えるユニットを増やすため。「戦争というものを男女それぞれの立場から考えてみたかったのと、苦難の末にようやく理解し合い、再開を果たした若者たちの成長の過程を描きたかった」 |
次回作の構想 | SFCでアカネイア戦史の完結編を作りたい。 |
本作のセールスポイント | 「今回はユニットを育てる喜びをさらに充実しました。難しいゲームだとは思いますが、苦労が多ければそのぶん喜びも大きいはずです」 |
資料名 | |
---|---|
任天堂公式ガイドブック ファイアーエムブレム紋章の謎 (小学館刊) | |
登場スタッフと役割 | |
加賀昭三(チーフゲームデザイナー) 寺崎啓祐(任天堂所属) | |
トピック | |
設定に関するQ&A | ドラゴンキラーがドラゴンに有効なのはつかに竜王の角の一部が埋め込んであるから、闘技場のおやじは賞金の半分を懐に入れている、フィーナはわざと旅芸人の一座からはぐれた、など。なぜ途中セーブができないかについては、安易にリセットボタンを押してほしくないから。「FEでは、「人が死ぬ」ということをシステム上でも特別のこととして考えています」 |
資料名 | |
---|---|
任天堂公式ガイドブック ファイアーエムブレム紋章の謎 プロフェッショナル (小学館刊) | |
登場スタッフと役割 | |
加賀昭三(チーフゲームデザイナー) 寺崎啓祐(任天堂ディレクター) 成広通(チーフプログラマー) 小屋勝義(キャラグラフィック・アニメーションデザイナー) 乃一文香(マップグラフィックデザイナー) 辻横由佳(サウンドコンポーザー) | |
トピック | |
制作過程について | 制作期間は3年近く。最初は2部だけの構想で、その後1部のダイジェストを入れることが決まった。1部のマップは最初とても少ない予定だったが、どんどん増えていった。 |
FC版からの変更点について | 顔グラフィックにはスタッフのこだわりがかなり反映されている。削った『暗黒竜』のキャラクターも本当は入れたかったが、容量の都合上断念した。 |
支援効果について | 外伝のセリカによるアルム支援のアイデアを発展させたもの。「「ファイアーエムブレム」は「愛」のゲームである。それが根底にあって、自然に出てきたのが支援効果なんです(加賀)」 |
没要素について | 魔法にボイスを入れる案、複数のアイテム入手ジングル、ファルコンナイトとナイトロード(善人を倒さずに進むとなれる)というクラスが没となった。 |
次回作の構想 | マルスの物語はこれで終わり。次回はSFCで、FEのノウハウを活かしたまったく新しいものを作りたい。 |
資料名 | |
---|---|
任天堂公式ガイドブック ファイアーエムブレム聖戦の系譜 (小学館刊) | |
登場スタッフと役割 | |
加賀昭三(FEの生みの親) | |
トピック | |
制作過程について | 続編を望む声もあったが、世界観を広げたかったので舞台を変えた。「あえて今回は別の世界、外伝風の作りにしたんです」 |
システムの変更点について | 特定のキャラクターばかり強くならないように、アイテムを交換できなくして個性を出した。「私としては、キャラクターにはみんな一長一短があるという作り方をしてるんです」 |
恋愛システムについて | 前作と違ってプレイヤーの自由にできるようにした。ユニット同士の会話も、キャラクターの背景を掘り下げるため。ゲームバランス的には、誰も恋愛しない状態でプレイした場合に一番楽しめるよう作ってある。 |
次回作の構想 | アカネイア大陸の過去の話や、マルス以外が主人公の物語が作りたい。ハードは64。 |
資料名 | |
---|---|
ファイアーエムブレム聖戦の系譜を遊びつくす本 (キルタイムコミュニケーション刊) | |
登場スタッフと役割 | |
加賀昭三(FEの産みの親) | |
トピック | |
前作との関連ついて | アカネイア大陸との世界観的つながりはある。時代的には前作よりもかなり前の話。ガレの時代[グラン歴440年ごろ]のアカネイアには文明はなく、神竜族と地竜族が争っていた。ロプトウスは地竜族の一派で、両者の戦いが「守護神ナーガの戦い」として伝わっている。 |
フォルセティについて | フォルセティは人間を助けるため、魔道書に自らの意志を封じ込めた。レヴィンがフォルセティを受け継いだ時には、彼の中にもう一人の人格が宿ることになった。後半のレヴィンが何者かについてはあえて語らない。 |
2王国の歴史について | トラキア建国者ダインの息子は後に恐怖政治を敷いたが、ノヴァの息子がそれに反乱を起こし、北の豊かな土地を勝ち取った。それが今のレンスターとして独立した。 |
キャラクターについて | トラバントは本当は繊細な人だが、無理して悪人をやっている。アルヴィスはディアドラが異父妹だとは最初は知らなかった。シグルドは主人公っぽく作ってはおらず、前半のキャラクターにはみんなどこかに欠点がある。 |
読者へのメッセージ | 「ファイアーエムブレムは、プレイする人の数だけ物語があります。ですから、ここでの回答も、あくまでもその物語の中の1つであって、決してこれが正解とか、設定とかいう訳ではないことをご了解のうえで楽しんでほしい」 |
資料名 | |
---|---|
ファイアーエムブレム聖戦の系譜 超戦術BOOK (学習研究社刊) | |
登場スタッフと役割 | |
加賀昭三(ゲームデザイナー) | |
トピック | |
制作過程について | 本作は外伝的なもの。今までは局地戦の印象が強かったので、歴史のうねりを感じさせるようなものにした。2部構成については、メインは後半。前半はセリスが戦う動機づけを示すための導入部分にあたる。味方だけでなく敵の側の戦う理由や事情を描いたのも、現実味の薄れた勧善懲悪の世界にしたくないため。 |
作品のテーマ | 誰しもが抱えている人間そのものの危うさや愚かさがテーマ。 |
恋愛システムについて | 当初はプレゼントなどで好感度を上げることができたが、戦闘中にベタベタな恋愛イベントが多々起こるのは濃すぎるので、カットしていって現在の形になった。 |
次回作の構想 | 次回作はFEの個性は維持しつつ、シンプルなものにしたい。ストーリーはマルスより少し過去の話。 |
資料名 | |
---|---|
ファイアーエムブレム聖戦の系譜 ファンSpecial (アスペクト刊) | |
登場スタッフと役割 | |
加賀昭三(ゲームデザイナー) | |
トピック | |
制作過程について | 本作はFEとは別シリーズのつもりだったが、諸々の事情でFEシリーズの一作品になった。「今までの『エムブレム』はヒーロー伝説でしたが、今回は歴史や世界が主役です。要するに大河ドラマです。その点でも今までとは視点が違います」 |
国家の設定について | 文化はヨーロッパの諸国家を意識した。前作はギリシャ・ローマ神話からネタを持ってきているが、今回は北欧やケルト神話に由来がある。 |
キャラクターについて | エルトシャンが仲間にならないのは、子の代でその不満を晴らせるようになっているため。エーディンは恋愛には淡白なタイプ。アルヴィスはシグルドと対になる主人公の一人、ユリアは前作のファルシオンの位置づけ、など。 |
今作を振り返って | 今作はキャラへの思い入れを持つのが難しめになってしまったことが反省点だが、それよりもやりたいものが作りたかった。ファンに媚びたくはない。 |
資料名 | |
---|---|
ファイアーエムブレム聖戦の系譜 TREASURE (NTT出版刊) | |
登場スタッフと役割 | |
加賀昭三(FEの生みの親) | |
トピック | |
FEの原点について | FEは「最初は、実際に商品として売ろうなんて深く考えていたわけじゃなく、バイトの学生3人に手伝ってもらいつつ作製した、言わば同人ソフトに近い乗りのもので(笑)」 |
ストーリーについて | 本作でやりたかったことは大河ドラマ。人間の間違いによって、どれだけ世の中が変わっていくのかということを伝えたかった。親殺しや近親愛が出てくるのも、実際の歴史には概してそういった不愉快な出来事が起きているため。「「聖戦の系譜」というのは、実は構想的には3部作。つまりセリスたちの物語のあとに、第3部があって、本来はその中で親殺しや近親愛の問題も含めて、すべて片づけるつもりだったんですが……結局、時間に追われて、その部分は切らざるを得なかったんです」 |
レヴィンについて | 後半のレヴィンは前半と同一人物だが、一部分をフォルセティに預けている。竜族と交わした「ゲッシュ」によって、レヴィンは戦後シレジアには戻れなくなっている。 |
過去の歴史について | 過去のユグドラル大陸に、ロプトウスの力を得たガレ司教が現れ、多くの人を苦しめた。竜族はこの状況を憂い、人間を信じて12戦士に力を与えた。その後ロプト教徒に対する迫害が続くのを見た竜族は、人間には干渉しないことを決めた。その例外がフォルセティ。 |
次回作の構想 | 聖戦の系譜を補完する物語で、リーフが主人公。敵を捕えるシステムや仲間を救出するシステムがあり、難易度はかなり高くなる。それは、「ユニットが戦っているんじゃなくて、ユニットが装備している武器が戦ってる」という今作への不満に答えるため。それとは別に、アカネイア編の集大成となるものも作りたい。 |
資料名 | |
---|---|
任天堂公式サイト http://www.nintendo.co.jp/nom/9905/doku/ | |
登場スタッフと役割 | |
加賀昭三(シリーズゲームデザイナー) | |
トピック | |
コンセプトについて | 前作ではストーリー重視でウォーシミュレーションとしての手ごたえが甘めだったので、今作では逆にゲームシステムに重点を置いた。 |
システムについて | 敵のアルゴリズムは高度になり、マップごとに変わる。勝利条件も多彩になり、自由度もずいぶん高くなった。 |
キャラクターについて | 疲労システムのために、ただ強いキャラを出せばよいというものではなくなっている。今作ではキャラクターの性格付けはプレイヤーに委ねている。 |
遊び方について | どのようにするのも自由だが、誰も死なせないパーフェクトという遊び方は、自分の意図とは異なる。むしろノーリセットでやることで、ドラマが生まれる。 |
次回作の構想 | 本作は98年の頭くらいから作り始めたが、当初はもっとコンパクトなものにするつもりだった。次回作はもっとラクなゲームを作りたい。「いつか、そんな作品も世に送り出せることでしょうね」 |
資料名 | |
---|---|
ファミ通 (1999年6月4日号) | |
登場スタッフと役割 | |
加賀昭三(FEの生みの親) | |
トピック | |
ファンの反応について | スーパーキャラを作ってガシガシ進んでいくやり方よりも、もっといろんなキャラクターを使ってほしいが、反対意見も多い。前作から女性や若いファンが増えたが、一方で昔ながらのファンからはシステム面の批判もあった。今作は後者のファン向け。「昔からのコアなユーザーに向けて「ほかにはないぞ」というものを作ってみたかったんですよ」 |
FEに向いた人について | FEはストレスが多いゲームで、ゲーム歴の長さというよりも適性が問われると思う。向いている人はおそらく、執着心が強い人、負けず嫌いな人。 |
「FEらしさ」について | 「FEらしさ」とは「キャラクターに対する思い入れ」だと考えている。ただしそれはキャラ自体の魅力だけの問題ではなく、ゲーム内のポジションや、成長度合いといったゲーム的要素も重要。 |
未プレイの人へのメッセージ | 「何時間もかけてキャラクターを育てたり、リセットして同じ面を何度もプレイするのは苦痛かもしれない。でも、そこを乗り越えると苦しみが多いぶん喜びもまた格別大きいゲームなんです。だから、私自身としては、少なくとも苦痛が快感に変わるところまではやってほしい」 |
資料名 | |
---|---|
樹の上の秘密基地(ほぼ日刊イトイ新聞) http://www.1101.com/nintendo/nin25/ | |
登場スタッフと役割 | |
倉恒良彰(任天堂企画部・CM制作) 西村健太郎(任天堂・シリーズ監修) 成広通(ディレクター) 武久豊(任天堂企画部・広報) | |
トピック | |
CMについて | 『暗黒竜』および『封印』のCM制作の状況や参加スタッフ情報。歌で世界観を表すというコンセプトがある。本作では、『暗黒竜』CMのオマージュにすることで、シリーズがつながっていることを表現した。 |
制作過程について | FEは最初、将棋のコマにキャラクターづけをすることで作られた。携帯機の性能がFEの表現に満足いくレベルになったおかげで本作は作ることができた。実際の制作期間は一年ほど。昔はもっと時間がかかっていた。 |
本作の変更点について | 細かい点に変化を加えている。間口を広げるため、主人公を「元気のいい男の子」にした。 |
本作の特徴 | 世界観は王道ファンタジー。ゲーム性が先にあって、それに合うようにストーリーを作っていくのがシリーズ全体の特徴。スタッフのこだわりがキャラクターの細部に反映されている。アニメーションも1作目に参加していたデザイナー[大西直孝氏]が作っており、とても熱がこもっている。 |
意見の取り入れについて | 任天堂側としては昔ながらのファンも大事にしたいので、FEの雰囲気が変わりすぎないようによく議論した。マリオクラブなどユーザーからの意見も聞いている。 |
資料名 | |
---|---|
ファイアーエムブレム封印の剣 やりこみ攻略ガイド (Nintendoスタジアム2002年7月号付録) | |
登場スタッフと役割 | |
成広通(シリーズ開発担当) 西村健太郎(任天堂・シリーズ監修) | |
トピック | |
難易度について | 難易度は意図的に下げた。当初は3つの難易度があったが、現在のノーマル難易度はその当時のイージーに近い。今のハードはノーマルとハードの中間。 |
遊び方について | ストーリー分岐が導入されたのは今回初。1回目で完全クリアするのは難しいかもしれない。 |
システムについて | 内部的なデータはいろいろあるが、できるだけシンプルにした。ユニットにカーソルを合わせた回数も記録されている。 |
アニメーションについて | スタッフがこだわって作った。「戦闘のアニメーションは世界観を表現しているので、ぜひ切らないで見ていただきたいです(成広)」 |
読者へのメッセージ | 1回はキャラの死にとらわれず、エンディングまで行ってほしい。さらに奥深い世界観があるので、2回目のプレイも楽しんでほしい。 |
資料名 | |
---|---|
任天堂公式サイト http://www.nintendo.co.jp/nom/0305/22/index.html | |
登場スタッフと役割 | |
成広通(プロデューサー) 西村健太郎(任天堂・ディレクター) | |
トピック | |
本作の特徴 | シミュレーションをやったことがない人にも楽しめるように、というのがコンセプト。それに加えてわかりやすい物語と、細かい人間模様でストーリーを厚くした。 |
本作の新要素について | 軍師システムは、すべてのユニットに主人公が指示を出しているという違和感の解消のために導入された。「プレイヤーが違和感なくゲームの世界に入り込むには、軍師というのがいちばんいいだろう、と(西村)」。戦いのアドバイスを聞ける占いも導入。 |
シナリオについて | もともとはイージー、ノーマル、ハードで3本シナリオを作るつもりだったが、現在のような形になった。今までは主人公があまり強くなかったので、バリエーションを増やして楽しめるようにした。 |
CMについて | 「いかにもゲーム」というイメージを変えたくて平井堅の曲を使った。FEのユーザー層は、小学校高学年から中学生と、20代中盤から後半が特に多い。「ワンプレーごとに、その人だけの物語ができあがっていくんです。おなじ人がもう一度やっても、こんどは別の物語ができる。そこがファイアーエムブレムの魅力でしょうね(成広)」 |
資料名 | |
---|---|
樹の上の秘密基地(ほぼ日刊イトイ新聞) http://www.1101.com/nintendo/fire_emblem/ | |
登場スタッフと役割 | |
山上仁志(任天堂・プロデューサー) | |
トピック | |
本作の特徴 | FEシリーズはこれまで新しく始める人には難しかったので、間口を広げる工夫として、「段階を経て、プレイヤーに上達してもらう」という作りにした。これはFEを任天堂の主力商品として復活させるため。変えたのはそこだけで、本作でもFEの良さは失われていない。 |
FEシリーズについて | FEは、将棋のコマを使って面を攻略していくようなゲーム。それぞれのコマには能力差があり、確率の要素もある。キャラクターには自然と愛着がわき、自然と話の続きが気になるようになっている。 |
次回作について | 「『烈火の剣』の人気が出れば、つぎはキューブでやろうと思ってます」 |
資料名 | |
---|---|
Nintendo Dream(2003年5月21日号) | |
登場スタッフと役割 | |
成広通(プロデューサー) 西村健太郎(任天堂・ディレクター) | |
トピック | |
制作過程について | 制作期間は約1年だが、7ヶ月で完成させる予定だった。「構想は『封印の剣』が終わる前から、大陸的な部分でのお話のつながりとかはあったんですけど」。『封印』を補完するためと、新規ユーザーを取り込むために、世界観とシステムは前作を引き継いだ。 |
難易度について | もともと2部構成の構想で、序盤の難易度は前作よりも簡単にした。エリウッド編までは初心者でもクリアできるようになっているが、そこから先はこれまでに劣らず「手ごわい」。キャラクターのロストをなくすことについては「(きっぱり)それはない。迷いはまったくなし(笑)。いまの「エムブレム」はパーフェクトプレイ(キャラを1体も死なせずクリアすること)が当たり前という風潮があると思うんですけれども、それは本当に(強調して)、想定していないんですね(成広)」 |
本作の新要素について | 軍師は、チュートリアルを自然に進めるために導入した。本来ならリン編のみの登場だったが、西村氏の要請により最後まで出すことに。そのせいで2002年内完成が長引いた。光魔法を最初から使えるように修道士も追加。 |
次回作について | 1年に1本くらいのペースで新作を出したい。次回はGCを考えている。リメイクについては、具体的な話はない。 |
制作会社について | インテリジェントシステムズ(イズ)はもともと、任天堂ゲーム機の開発ツールなどを作っていた会社。最初はソフトウェアのバックアップを行っていたが、徐々にイズからオリジナルの企画を出すようにもなった。現在の開発スタッフは80人ほど。FEシリーズはイズから企画提案し、任天堂側がアドバイスをして議論を重ねながら作っている。成広氏がイズに入社したのは1986年で、初作品は『ファミリーコンピュータロボット ジャイロセット』。 |
資料名 | |
---|---|
任天堂公式サイト http://www.nintendo.co.jp/nom/0505/1_3/ | |
登場スタッフと役割 | |
成広通(プロデューサー) 堀川将之(ディレクター) 金田妙子(ゲームデザイン) 樋口雅大(グラフィックチーフ) 野田稔(マップディレクター) 西村健太郎(任天堂・スーパーバイザー) | |
トピック | |
キャラクターについて | これまでは「亡国の王子」が主人公だったが、『烈火』のヘクトルが人気だったことを受けて、毛色の違うキャラクターを主人公にしてみようと考えた。ラグズは最初は完全な獣人だったが、それではシリーズの世界観に合わないので、戦闘時に姿を変えるようにした。マムクートと違う点は本来の姿が人型であることと、人間とそこまでかけ離れていないこと。 |
3D化について | リアルすぎると従来のイメージからずれてしまうので、調整に苦労した。マップも、建物の後ろが見えなくなるなど、いろいろな問題を乗り越える必要があった。 |
本作の新要素について | 拠点の導入については、戦闘とそうでない状況を分離させたかったから。支援会話も戦場ですると違和感の出るものがあるので。拠点育成は育てづらいユニットを育てやすくした。体格と重量を分けたのは、これまでは装備の重さも含めて体格としていたが、そのせいで大女扱いされるユニットが出てしまっていたため。 |
資料名 | |
---|---|
Nintendo Dream(2005年5月21日・6月6日号) | |
登場スタッフと役割 | |
西村健太郎(任天堂・スーパーバイザー) 成広通(プロデューサー) 樋口雅大(チーフグラフィッカー) 堀川将之(ディレクター) | |
トピック | |
FEの面白さについて | FEの開発コンセプトは、ファミコンの性能に合わせて、シミュレーションの要素を凝縮したものを作ろうというもの。シリーズの魅力もゲームシステムの完成度にある。「根本的なシステムが、非常にシンプルで分かりやすい上に、キャラクターの成長とか、楽しみの要素がいろいろ加えられたことが指示されてきた理由だと思います(堀川)」 |
本作の特徴 | 本作は今までよりも中世の世界観を強くし、ストーリー面でもGBA版と差別化を図ろうとした。3D化にあたっては、操作性が落ちないように気を使った。ムービーも気合を入れて作ったので、アピールポイントになっていると思う。 |
難易度について | FEシリーズは難しいと言われるが、それはパーフェクトプレイを目指しているからではないか。「作り手としても、最初からパーフェクトプレイ自体を想定していないんですよ。それは良くないんじゃないか、という意見ももらうんですけど…。「パーフェクトプレイがデフォルト(初期設定)ではない」という点は、『エムブレム』の正伝シリーズではしばらく変わらないと思います(成広)」。本作の難易度については、ハードがこれまでの標準レベル。マニアックは『トラキア』以上の難易度が欲しいという要望に答えて作った。 |
ラグズについて | 人間と竜以外の種族を作って、世界観を広げたいという意図がある。樋口氏の「キャラクタが人間じゃなくてもいいじゃないか、動物だけの大陸があってもいいじゃないか」という一言がイメージのきっかけ。 |
キャラクターについて | キャラクター創作の過程は、まずキャライメージを考え、そのイメージに肉付けし、イラストを描くという手順で行われる。キャラがわかりづらくならないように、同じ文字数の名前のキャラ同士は最初の一文字がかぶらないようにしている。『封印』ならばアレン、イグレーヌ、ウォルト、エレンとアイウエオ順にばらけている。今作のイラストは聖魔の時に縁があったスタッフに頼んでいる[北千里氏]。元SNK所属。しかし内部スタッフが描いているイラストもある。 |
資料名 | |
---|---|
任天堂公式サイト http://www.nintendo.co.jp/fe/president/index.html | |
登場スタッフと役割 | |
北西亮一(イズ代表取締役) 匿名(開発部) | |
トピック | |
FEシリーズの特徴について | FEは文系的な物語と、理系的なシステムが楽しめるゲーム。「このゲームは最初にきちんといくつかのルールを理解さえしてくれたら大丈夫だけど、なんとなく進めちゃうと、はじめはよくても途中からちょっとしんどくなる(北西)」。 |
社長のプレイスタイル | 北西氏は、敵を全部倒したりボスチクをしたりと、アイテムや経験値を取り逃さない完璧なプレイが好み。成長の吟味についても「1しか上がらなかったらリセット押したくなるよね(北西)」。最初から強いキャラクターより、弱いキャラクターを育てる。 |
資料名 | |
---|---|
Nintendo Dream(2007年4月号) ウェブサイト上にもあり(こちらの方が若干長い) http://www.nindori.com/interview/156FE/index.html(アーカイブ) | |
登場スタッフと役割 | |
山上仁志(任天堂・プロデューサー) 俵正樹(任天堂・プロジェクトマネージャー) 成広通(プロデューサー) 樋口雅大(グラフィックチーフ) 前田耕平(シナリオ) | |
トピック | |
FEシリーズの特徴について | シミュレーションの楽しさと、世界観やストーリーの奥深さがシリーズの特徴。敵側の正義や人間性といったものも描いている。アクションが苦手な人にも、じっくり考えて遊べるのもFEの魅力。 |
制作過程について | 開発開始は2005年5月。GBA作品が海外でも好評を得たため、『蒼炎』をGCで出すことができた。『蒼炎』はハードの売り上げも伸ばし、シリーズが受け入れられていることがわかった。開発スタッフは『蒼炎』の110人からさらに増え、200人近い。 |
本作の特徴 | 4部構成なのは、ボリュームが多い中で、区切りをつけて遊べるようにするため。キャラクターを覚えやすくするために、人物相関図を導入した。キャラクターの動きも前作よりスムーズになっている。 |
難易度について | 「話が難解すぎる」というライトユーザーの要望を受けて、ノーマルでは会話を短めにした。ハードでは個人的な人物描写に関する話が追加されている。難易度的には本作のノーマルはイージーといえる水準。「初めて遊んだ人が、仲間の1人を失って、「うわ〜、死んじゃったよ。これって難しい」と感じてしまうのはよくないと思ってるんですね。『FE』は1人の仲間が死んだからといって、必ずやりなおさなければいけないゲームではないですし、その意味でもノーマルは比較的易しくプレイできると思っています(山上)」 |
ストーリーについて | 「今作の物語のベースにあるのは、サブタイトルにもある「女神」の存在を絡めながら、人間がもともと内に持っている「闘い」の本能のようなものを、ラグズとベオクの対立といった中で、人間の普遍的な要素として描こうとしているわけです(成広)」。『蒼炎』が未完というわけではなく、今作から始めても問題のない内容になっている。いつもより会話表現がきつめになっているのは、戦争の雰囲気を出すため。 |
資料名 | |
---|---|
電撃DS&Wii Style(2007年5月号) | |
登場スタッフと役割 | |
山上仁志(任天堂・プロデューサー) 成広通(プロデューサー) 樋口雅大(グラフィックチーフ) | |
トピック | |
制作過程について | もともとFCで出たシリーズなので、引き続き据え置きハードで発売していきたい。Wiiリモコンでも操作できるようにしたが、振るなどの操作は必要ないので省いた。Wi-Fi通信でマップやユニットを配信するアイデアはあったが、見送りに。 |
本作の特徴 | 前作をやっていなくても遊べる内容にするために、4部構成にした。特に誰が主人公というわけではない。2周目の追加要素については、「基本的には1周だけで楽しんでもらえるように作っています。ただ、『FE』ファンの方々は2周目をプレイするでしょうから、何か用意してあげたいと考えてイベントを追加しました(成広)」 |
資料名 | |
---|---|
任天堂公式サイト http://www.nintendo.co.jp/ds/interview/yfej/vol1/index.html | |
登場スタッフと役割 | |
成広通(プロデューサー) | |
トピック | |
制作過程について | 本作はFEシリーズ11作目として、一度初心に帰って第1作目を作り直すという考えのもとに制作された。FC版のリメイクではなくリニューアルという位置づけ。 |
本作の特徴 | FC版のセリフを生かして、セリフを削る方向性にした。セーブポイントをマップ上に配置して、リセットした際のダメージを減らしている。兵種変更システムも、難しい場合にクラスのバランスを取るためと、好きなキャラだけで進めるようにもするため。 |
FEシリーズの特徴について | 「僕的には『エムブレム』シリーズは「スローゲーム」だと思ってるんです」。これは、自分のペースで楽しめるゲームで、誰にでも遊べるものだということ。 |
資料名 | |
---|---|
Nintendo Dream(2008年10月号) | |
登場スタッフと役割 | |
成広通(プロデューサー) | |
トピック | |
制作過程について | 制作のきっかけは、『暗黒竜』が出たのが18年前なので、知らない人が出てきているから、また『暗黒竜』の規模が携帯機に向いていると考えたから。加えて、『紋章』で削られたキャラ復活の要望も多かった。 |
本作の特徴 | 全体的にコンパクトに作っており、想像の余地を残すために本筋の情報量は増やしていない。一方キャラ同士の会話は追加している。難易度ノーマルにのみ序章が追加されているのは、チュートリアルを兼ねているから。兵種変更の導入は、足りないクラスが出てきた時の救済策と、遊びの幅を広げるため。 |
序章の展開について | 序章でユニットを囮にして、そのユニットは失われる展開になるのは、「ある意味僕がずっと言ってることなんですが、「失う」ことを少し納得していただく形の1つなんですよ。パーフェクトプレイは結構普通に言われていますけど、本当にこのゲームをパーフェクトにプレイするのは、なかなかできない遊び方だと思っています」。「何が何でもパーフェクトプレイ、誰かが死んだらやり直し、というのを繰り返すような方向ばかりには、行かないでほしいと思っています」 |
外伝について | 外伝への分岐条件がキャラロストであることについては、プレイヤーの予想を裏切る要素を用意したかったからであり、そうした裏切りはFEの中には往々にしてある。 |
キャラクターについて | 今回は力強さやカッコ良さを前面に押し出して、世界観を表現した。イメージイラストに士郎正宗氏を起用したのは、人体を描いた時の力強さが素晴らしかったから。 |
資料名 | |
---|---|
任天堂公式サイト http://www.nintendo.co.jp/ds/interview/vi2j/vol1/index.html | |
登場スタッフと役割 | |
成広通(プロデューサー) 樋口雅大(プロジェクトマネージャー) 前田耕平(ディレクター/翻案) | |
トピック | |
「FEらしさ」について | 「ひとつはキャラクターへの愛着だと思います。頑張ってキャラクターを育てる楽しさ。そしてもうひとつは、頭を使いながら敵と戦い、うまく倒せたときの楽しさ(前田)」「失った仲間は生き返らないという、人の命の重みを表現しているところ(樋口)」「最高の緊張感を味わってもらうのが『エムブレム』なんじゃないか(成広)」 |
カジュアルモードについて | 間口を広げるために、失った仲間を復活させることを任天堂の側から提案された。樋口氏はこの点を変えたらFEではないとして断固として反対していたが、数ヶ月にわたる議論の末、周囲に説得されてカジュアルモードを認めることになった。はじめはカジュアルは一つの難易度だったが、後に難易度選択とは別になった。 |
マイユニットについて | マイユニットの導入には反対意見もあったが、単なるリメイクにしないためと、マイユニットとの交流を通してキャラや世界観を語れるようにするため。 |
資料名 | |
---|---|
Nintendo Dream(2010年9月号) | |
登場スタッフと役割 | |
成広通(プロデューサー) | |
トピック | |
制作過程について | もともとは『紋章』を2部ともリニューアルする予定だったが、ボリュームが多すぎるため、2作に分けることになった。前作に比べて、若手のアイデアを多く取り入れた。 |
外伝マップについて | 前作の外伝分岐は「味方を全員生き残らせることだけが『エムブレム』じゃない」というメッセージを込めてキャラロストを条件にしたが、不評だった。今作では条件を変え、外伝ではマイユニット中心の物語を展開している。 |
キャラクターについて | カタリナは当初ボクっ娘だった。ローローとクライネは、ただの悪役にならないよう個性を持たせた。サジとマジは最初は兄弟という設定だった。追加された支援会話については、SFC版のキャラがどのような性格なのか、スタッフ内で議論を重ねて作った。 |
カジュアルモードについて | カジュアルモードはスタッフの間でも導入には賛否両論だった。「やっぱり「キャラが死んでしまう」という要素は完全には無くせないんですよ。あれがあるからこそキャラへの深い思い入れやゲームの緊張感が生まれるわけで。我々として最終的にはやはりクラシックモードを遊んでほしいのですが、そこに至るまでの今の時代に即した入口として、カジュアルモードを楽しんでもらえればと思います」 |
『外伝』について | 『外伝』のリメイクの可能性について、「GBAで発売された『聖魔の光石』が、ある意味『外伝』のオマージュですので、システム的な『外伝』の楽しさは一度再現できたと思っています。お話も含めた『外伝』のリメイクは…今のところ予定はないですね」 |
資料名 | |
---|---|
任天堂公式サイト http://www.nintendo.co.jp/3ds/interview/afej/vol1/index.html | |
登場スタッフと役割 | |
成広通(プロデューサー) 樋口雅大(プロジェクトマネージャー) 前田耕平(ディレクター) 草木原俊行(アートディレクター) コザキユースケ(キャラクターデザイン・イラストレーション) 横田弦紀(任天堂・ディレクター) 山上仁志(任天堂・プロデューサー) | |
トピック | |
スタッフについて | 成広氏と山上氏は、今回はほとんど関与していない。コザキ氏は、過去にTCGのイラストを担当しており、大量のキャラクターを素早く描き上げる実力を買われて声がかかった。 |
制作過程について | まったく新しい世界観の新作を考えており、時代劇や現代や火星が舞台のものなどアイデアは出るものの決定打にはならなかったが、「集大成」というテーマが出ると、話はすぐまとまった。「集大成」とは、過去作の良い部分をどんどん取り入れるということ。「「テーマを達成するものは、なんでも入れましょう!」って感じで、現場のパワーがあらゆることを実現しちゃったというか、ブレが少なかったので、“集大成”を超える“超集大成”ができたんだと思います(成広)」 |
本作の特徴 | デュアルシステムの導入は、「絆」がテーマなため。キャラクターへの感情移入を助けるためにボイスも入れた。結婚システムも支持が多かったためにスムーズに実装された。任天堂ゲームでは初となる追加コンテンツ配信については、開発終盤からの制作だったが納期に遅れることなく導入ができた。 |
資料名 | |
---|---|
Nintendo Dream(2012年7月号・8月号) | |
登場スタッフと役割 | |
樋口雅大(プロジェクトマネージャー) 前田耕平(ディレクター) 草木原俊行(アートディレクター) 横田弦紀(任天堂・ディレクター) 森下弘生(ミュージックディレクター) 小室菜美(プランナー) | |
トピック | |
制作過程について | いろいろなアイデアが出たが一度リセットして、FEの根本部分、「手ごわいシミュレーション」と「キャラクターへの愛、絆」というテーマに沿うものはなんでも入れていった。システム面で間口を広げることは『新紋章』で十分に行ったので、本作は新規ユーザー獲得の手段として、キャラクターデザインやボイスといった取っつきやすく気になる要素に重点を置いた。 |
結婚システムについて | キャラの子供が時間を超えてやってくるという展開は、結婚と子世代ユニットの登場の間の時間差をなくしたいという任天堂側の要望に答えてのものであり、シナリオもこのシステム上の要請に合わせたもの。クロムとティアモが結婚できないのは、ティアモが片思いのカチュアポジションとして設定されているからと、ティアモがクロムだけでなくスミアを大事に思っているから。 |
キャラクターについて | クロムは、アイクの方向性を受け継いでデザインしている。片腕を出しているのは、常に聖痕を見せるため。一方スタンダードな主人公像はマルス[ルキナ]が体現している。キャラクターが多すぎて覚えきれないというユーザーの声に答えて、「軍の中で一番」という特徴を各キャラに持たせたほか、子世代のキャラは特に個性を強めにした。「今回はストーリーの道筋がわりと深刻な世界ですので、それを乗り越えるぐらいの元気を感じられたほうがバランスがいいんです。だから、これくらいはっちゃけていて全然OK!ふざけ過ぎないくらいの、ギリギリのラインで収まったんじゃないかと思います(横田)」 |
資料名 | |
---|---|
Nintendo Dream(2013年6月号) | |
登場スタッフと役割 | |
横田弦紀(任天堂・ディレクター 樋口雅大(プロジェクトマネージャー) 草木原俊行(アートディレクター) 前田耕平(ディレクター) | |
トピック | |
制作過程について | 『覚醒』は、これが一定数[25万本]売れなかったらFEシリーズは終了という通告を受けながら制作された(参考)。多くの変更を加えるにあたって、スタッフ内でも保守派と革新派に分かれた。樋口氏が保守派で、草木原氏が革新派の代表格。DLC「絆の夏」も樋口氏が導入に躊躇したが、「やるからにはいっそのこと振り切ってやった方がいいかなと悩みに悩んで」同意した。 |
本作の特徴について | これまでFE制作の現場では「FEらしさ」が全体の方向性を規定していたが、本作はその「FEらしさ」を見直し、「感情が揺さぶられるようなネタなど“エムブレムらしくない”ものも、ふんだんに入れていくことにしたんです(樋口)」。「だから、逆に“エムブレムらしくない”というものも多く入れてしまったので、「これは違う」と感じている方もいらっしゃるかと思うんですが、それも『FE』の間口が広くなったという意味で理解してもらえるとうれしいです(樋口)」。樋口氏は、本作のエムブレムらしくない要素として、告白の一枚絵を挙げている。 |
DLCについて | 追加DLCは導入したのは、本作に継続的に注目してもらいたかったというのが主な理由。過去シリーズのキャラクター登場はイズ側のアイデアで、当初は過去のイラストそのままのキャラクターだったが、本編キャラクターとの違いが目立ってしまうため、魔符という形での登場にし、イラストも新たに描き起こしてもらうことになった。「花嫁」はクラスが先に決まり、そこにキャラを当てはめた。同じく「花婿」も作る予定だった。 |
資料名 | |
---|---|
任天堂公式サイト http://www.nintendo.co.jp/3ds/interview/bfwj/vol1/index.html | |
登場スタッフと役割 | |
樋口雅大(プロデューサー) 前田耕平(ディレクター) 草木原俊行(アートディレクター) 樹林伸(ストーリー) 横田弦紀(任天堂・ディレクター) 山上仁志(任天堂・プロデューサー) | |
トピック | |
制作過程について | 前作の『覚醒』の際は、FEシリーズの売り上げが落ちているため、シリーズを終了すると任天堂の営業本部長に言われた。そのためシリーズ最後のつもりで『覚醒』を作ったが、売り上げが大きく伸びたので次回作を出すことができた。前作にやりたいアイデアはほとんど詰め込んだが、まだ残っていたものが「選択肢次第で展開が変わる」というものだった。当初はどちらの国につくかの二択だったが、どちらでもないという選択肢も考えたために3本立てとなった。 |
シナリオについて | 前作は概ね好評だったが、シナリオについては批判が多かった。そこで樹林氏に原作を依頼したところ、奇跡的に了承してもらうことができた。樹林氏は多忙のため最初はプロットのみのつもりだったが、筆が乗って詳しい物語も執筆する気になり、最終的には膨大な量のシナリオを作成した。 |
本作の特徴 | マイキャッスルには非常に力を入れており、ゲーム1本分ほどのボリュームがある。フェニックスモードは、あらゆるプレイヤーに最後まで進んでもらうための措置。 |
資料名 | |
---|---|
4Gamer.net http://www.4gamer.net/games/287/G028791/20150427113/ | |
登場スタッフと役割 | |
成広通(シリーズプロデューサー) 樋口雅大(プロデューサー) 山上仁志(任天堂・プロデューサー) | |
トピック | |
FEシリーズ全体について | FEシリーズは、ユニットにキャラクター性を持たせること、「敵にも敵の正義があるということ」がテーマになっている。FC時代には、MMCチップやバックアップ用RAMの使用という技術革新によって細かい情報表示を可能にした。 |
『if』について | 『覚醒』でDLCを導入したが、あくまで限定的な要素の追加だった。本作では物語的な部分での追加の要望に答えるために、ストーリー自体を追加購入できるようにした。 |
資料名 | |
---|---|
ファミ通.com http://www.famitsu.com/news/201505/25079105.html | |
登場スタッフと役割 | |
樋口雅大(プロデューサー) 横田弦紀(任天堂・ディレクター) 前田耕平(ディレクター) | |
トピック | |
本作の特徴 | 前作では補助的な立ち位置だったマイユニットは、本作では主人公になった。武器の使用回数の撤廃は新規ユーザーのためで、貴重な武器を温存して大事な場面で使うという戦略が初心者には難度が高いものだから。キャラクターデザインはコザキ氏に依頼することが満場一致で決定した。 |
資料名 | |
---|---|
Nintendo Dream(2015年9月号) | |
登場スタッフと役割 | |
横田弦紀(任天堂・ディレクター) 樋口雅大(プロデューサー) 前田耕平(ディレクター) 草木原俊行(アートディレクター) 森下弘生(サウンドディレクター、コンポーザー) 小室菜美(プランナー) | |
トピック | |
本作の特徴 | 『覚醒』では間口を広げるために意識的に難易度を下げていたが、なおクリアできない人がいたので、難易度を下げる代わりにフェニックスモードを用意した。マイユニットは、どちらの国につくかを選択する主体の役割。マイユニットがある作品も3作目となったので、主人公にしても十分受け入れられると考えた。マイルームはLive2Dというイラストを動かす技術を用いたもので、インパクトのあるところに活用したいと考え、このようになった。「キャラクターへの愛着を強める効果がある、キャッチーで喜んでいただけそうだ、と思いました(前田)」。結婚システムは、本作が『覚醒』を引き継ぐ方針だったため、入れることが当初から決定していた。 |
3つの王国について | 白夜王国は「侍」をキーワードに、戦国や江戸時代といった一般的なものではなく、さらに昔の平安時代などをイメージして構築していった。暗夜王国は最初はもっと悪い、ダークな国というイメージで作られていた。インビジブルキングダムの名称は樹林氏の発案で、ミステリー的な要素が入っている。「ストーリー的に『白夜』が王道の物語で、『暗夜』がダークヒーロー的な立ち回りなので、それとは違うものとしてミステリー…犯人を探していくような要素を入れていただいた感じです(前田)」 |
キャラクターについて | キャラクターの割り振りは、暗夜に個性的なキャラを多めにした。「暗夜は話が重いので、あんまり真面目なキャラを持ってくるより、ちょっとぶっ飛んだキャラクターを置いた方が振り幅が出ていいだろうなと思ったんです(小室)」。『覚醒』とそっくりなキャラの登場に関しては、過去の良かった要素を入れるという方針で、『外伝』のペガサス3姉妹を参考に、別のタイトルの世界からやってきているという要素を取り入れた。 |
資料名 | |
---|---|
Nintendo Dream(2016年6月号) | |
登場スタッフと役割 | |
前田耕平(ディレクター) 小室菜美(プランナー) 森下弘生(サウンドディレクター) 近藤嶺コンポーザー) 甲田雅人(コンポーザー) 金崎猛(コンポーザー) | |
トピック | |
追加コンテンツについて | 追加コンテンツのシナリオを担当したのは小室氏。「盗賊アンナ」でアンナを登場させた経緯は、アンナはシリーズを通しても特徴的なキャラクターなので、仲間にできるようにしたいと思ったから。「泡沫の記憶編」が作られたのは、子世代が主役の話を作りたかったから。このシナリオが白夜・暗夜の後日談なのは、もしかしたら両編の後に誰かがハイドラを倒しに行ったかもしれないという「もしも」を描きたかったから。 |
サウンドチーム結成の経緯 | 本作は『覚醒』よりも規模が大きいものだったので、森下氏が金崎氏、近藤氏の他に、甲田氏に声をかけた。甲田氏は『エルシャダイ』で神秘的な曲を手がけていたところから、白羽の矢が立った。 |
今作の曲の雰囲気について | それぞれの編で、和風と洋風、そのどちらでもないもの、という3つのスタイルで作曲を行った。和は雅楽、洋はケルト音楽をベースにし、和風・洋風の割合や、「FEらしさ」をうまく配合しながら作曲した。白夜王国は平安時代がコンセプトになっているが、そこから雅楽を取り入れるというイメージが固まった。「僕は僕で、音楽を根底から考えるところがあるんで、例えば白夜なら、『あの王国の中に、打楽器とかを演奏するような文化的背景があるのか』というようなことを森下さんに話したことがありますね。安易に和風ということではなくて、雅楽が乗っかってくることに対して、意味合いを持たせて説得力のあるものにするべきだと感じたんです(近藤)」 |
資料名 | |
---|---|
Nintendo Dream(2016年11月号) | |
登場スタッフと役割 | |
宮野真守(レオン声優) 小室菜美(プランナー) | |
トピック | |
レオンの演技について | 宮野氏によるドラマCD収録についてのコメント。レオンの性格については、「レオンは天才肌で秀才なキャラクターですけど、きょうだいたちの中では下から2番目なので、子どもらしさというのはやっぱり奥底にあると思うんです。でもそれをなかなか外には出さない人なので、相手との接し方が冷たく見えたりとか、強く当たるようなキツイ態度のキャラクターに見えたりするんですけど…。でもまだ成長途中で、未熟なところもたくさんあって。年相応の、素直で可愛い部分があると思うんですよね(宮野)」 |
ドラマCD制作の経緯 | ドラマCDのシナリオは、小室氏と透魔編の後半シナリオを担当したジンテーゼの北島氏が書いている。以下は小室氏の発言。『覚醒』のドラマCDが好評だったため、本作でももっとキャラクターのやりとりを楽しんでもらいたいというのが制作の経緯。 |
ドラマCDのシナリオについて | 白夜編はシリアス、暗夜編はコメディというテーマで書いている。脚本はできるだけキャラクター人気投票の結果を反映させており、メインが弟王子になったのもそのため。暗夜の「カムイ誕生日編」以外は本編開始前の時間軸で、始まる前のより未熟だったレオンやタクミを描いている。白夜のストーリーは、本編の4章から6章までのストーリーをタクミ視点で描写したもので、本編では見えていなかった部分が語られている。「キャラ性はすごく出ているので、これを聞いてキャラ性をわかった状態でゲームをやっていただくと、また面白いかもしれません(小室)」 |
資料名 | |
---|---|
任天堂公式ガイドブック ファイアーエムブレム新・紋章の謎 (小学館刊) | |
登場スタッフと役割 | |
子安武人(ナバール声優・FEファン) | |
トピック | |
FEシリーズとの関わり | 初代『暗黒竜』からプレイしているが、特に印象深かったのは『紋章』。『紋章』のナバールを見てそのかっこよさに驚き、大ファンに。ナバールを演じるのは自分しかいないと、OVAおよび2作のCDドラマでナバール役を担当した。「今となっては、ナバールは「みんなのもの」ではなく「僕のもの」という気持ちでいます。申し訳ないですが……」 |
『新暗黒竜』について | ユーザーフレンドリーになっている点に時代の変化を感じた。兵種変更システムも試してみたが、ナバールは剣士以外ありえない。そのキャラクターがそのクラスになるに至った過去というものを尊重すべきだから。「前作でも、兵種変更システムには驚きました。「おい!」って(笑)。正直、僕は「こらっ!」と思ったんですよ。「ユニットへの冒涜だろう」って。でも、試してみる自分もいるんですよ。もちろん、基本的にはしません」 |
FEに大事なことついて | 「『FE』において何がいちばん大切か、キャラクターを強くする要素は何かと聞かれたら、それは愛情。愛情があれば、不思議に成長限界も超えてしまいます『FE』の恐ろしいマジックですね(笑)」 |
資料名 | |
---|---|
20th Anniversary ファイアーエムブレム大全 (小学館刊) | |
登場スタッフと役割 | |
辻横由佳(シリーズ作曲担当) 山上氏と成広氏のお祝いコメントもあり | |
トピック | |
FEシリーズの思い出 | サウンドスタッフがいなかったイズから声がかかって、FEシリーズに関わることになった。FEスタッフはいいものを作りたい一心で意見を出し合い、時には衝突することもあった。 |
作曲について | 作曲スタイルは「五線紙と鉛筆とピアノ+鼻歌」が基本。心がけている点は「歌えること、人に優しくあること、テーマは“愛”です」 |
資料名 | |
---|---|
Gpara.com http://www.gpara.com/contents/creator/bn_203.htm (アーカイブ) http://www.gpara.com/contents/creator/bn_204.htm (アーカイブ) | |
登場スタッフと役割 | |
乃一文香(グラフィックデザイナー) 成広通(プログラマー) | |
トピック | |
乃一氏の経歴 | デザイン業界からイズに入社。『紋章』と『聖戦』のメイングラフィックデザイナーを務める。その後独立し、アルヴィオンを立ち上げた。 |
成広氏の経歴 | 高価だったPCを買うためのアルバイトとしてゲーム業界に入る。イズのプログラマーとして『ジャイロセット』や『ファミコンウォーズ』を手がける。『紋章』からはFEシリーズとファミコンウォーズシリーズをメインに関わっている。 |
資料名 | |
---|---|
デザイナーズノート (インテリジェントシステムズホームページ) http://www.intsys.co.jp/game/fireemblem/note/index.html (アーカイブ) | |
登場スタッフと役割 | |
匿名(ゲームデザイナー) | |
トピック | |
概要 | インテリジェントシステムズの公式サイトに掲載されていた、加賀昭三氏によるものであろう『紋章』『聖戦』に関する裏設定集。2002年ごろ消滅。『遊びつくす本』での氏の発言から考えるに、背景にある構想の一つとして理解するのがいいように思われる。 |
アカネイアの歴史 | 『紋章』第一部開始直前までのアカネイア大陸の7王国の政治的・歴史的状況について。アカネイア王国の有力貴族、アリティア王国とマルスの家系、グルニア・マケドニア・オレルアン・グラ・タリス王国の歴史的経緯の解説。 |
聖戦の系譜の設定 | 聖戦士の1人ブラギは、ロプト教団の分派の中で育った。ブリギッドが海賊に拾われるまでの経緯。ブラギが興したエッダ教団について。アイラがなぜヴェルダンにいたのか。アルヴィスとアゼル、その両親について。 |
紋章の謎のキャラクターについて | ナバール、フィーナ、ミシェイルとその妹たち、オグマ、レナ、カシムに関するバックストーリーの解説。またこの世界における魔道の原理やその発展について。 |