ゲーム思い出語り ~Civilization 4~

Gayaline

 今回は特定の作品に対する思い入れを語っていきたいと思います。最初に選んだのはPCのシヴィライゼーション4。
 サイトの方では特に触れていなかったですが、一時期ものすごくハマっていたというのと、いろいろと失われている情報があるので、忘れる前に書いておこうという意図です。


シヴィライゼーションとは

 シヴィライゼーションは、簡単に言うと「文明を発展させるゲーム」である。正式タイトルにもあるように、数々のシミュレーションを生み出してきたシド・マイヤーの手によるものだ(後年の作品には関わっていない)。
 基本はPC向けで展開されているが、初代はSFCに移植されており、以後もそれなりにコンシューマ移植がある。SFC移植版はマイナーだが、この段階でテクノロジーツリーや外交、蛮族や世界遺産などシステムはだいたい確立されており、十分に遊べる内容。民主主義だと議会で反対されるから絶対に宣戦布告できないのが極端だった。あと移植版オリジナルだと思うがBGMがとてもよく、都市画面の「内政ボサノバ(仮称)」は名曲だと思うし、不満のたまった市民が反乱を起こしている時の曲も印象的。
 その後プレイしたのがCiv4で、どういうきっかけで手に取ったのかよく覚えていないが、とにかくハマりまくった。実際4は特に人気が高かった作品らしく、後述のファンコミュニティの盛り上がりもそれを示しているといえるだろう。

すべてはBabaYetuから始まる

 というわけでCiv4の話だが、プレイした人なら誰もが思い浮かぶのがBabaYetuだろう(拡張パック入れて始めた人はそうでもないかもだが)。歌つきのメインテーマなわけだが、とにかく素晴らしい曲かつ耳に残るもので、今でもふと歌い出したくなる衝動にかられる。
 歌詞はスワヒリ語で、キリスト教の主の祈りを翻訳したものらしい。何を言っているのかはわからないにもかかわらず、やっていた人なら蟹玉ビーフに飽きるほど聴いているはずだ。

軍事ならばやり尽くせ

 ゲームの流れとしては、実在の文明および指導者からプレイヤーキャラを選び、他の数人とともに1つのマップの中で都市を築き、技術を研究し、外交や戦争しながら6つの勝利条件のいずれかを満たすのが目的となる。
 ポイントとしては、シムシティのような街づくりと、エイジオブエンパイアのような戦闘の要素の両方があり、なおかつ外交、科学、文化、宗教など、国がやることを全部取り入れているという、ものすごくスケールの大きい国家運営シミュレーションとなっているところだろう。なのでできることは非常に多く、ひたすら経済を伸ばすのもよし、他国に攻め込むのもよし、文化で平和的に他国の都市を奪うのもよしである。どれかをおろそかにするとだいたい負けるけど。
 それら複雑な要素がターンベースのシステムと、練り上げられたUIでまとまっており、快適にプレイすることができる。よく言うように、あと1ターンだけという感じで延々とプレイしたくなるので、最高の時間泥棒である。

ファンコミュニティの盛り上がり

 そして何より楽しかったのが、ファンコミュニティでのやりとりだった。筆者が訪れたのは2008年ごろだったと思うが、ペリク鯖と呼ばれているCiv4 Wikiの1つにプレイヤーが集まり、ものすごい勢いで更新が行われていた。
 その中でも目玉コンテンツだったのは、プレイの記録を投稿するプレイレポである。高難易度のプレイや、いずれかの要素に特化したプレイ、変わった設定のプレイなど多数投稿されており、遊ぶ参考にもなったし、読み物としても面白かった。最初のうちは淡々とした解説が多かったが、だんだんキャラクターの掛け合いからなるプレイレポが出てきて、世界の指導者がキャラ付けされていくのが楽しかった。なお同時にニコニコ動画でもCiv4のプレイ動画は盛り上がっていたようだが、そちらは関知していなかった。
 そのペリク鯖も現在では消滅し、一部をサルベージしたものを残すのみとなっている。プレイレポはだいたい消えてしまったので非常にもったいない。自分の投稿したのも消えているので、上げなおそうかなーとちょっと思っている。

魅力的なMOD

 PCゲームといえばファンによるMOD制作が可能なことだが、これまたCiv4はMODのクオリティが異様に高かった。UIの改善や指導者追加などに留まらず、特に圧倒的な魅力を放っていたのがFall from Heaven IIである。
 これはオリジナルのファンタジー世界が舞台で、文明や指導者、技術なども総入れ替えで、なおかつシナリオもあり、新要素も多数入っているというもので、別ゲームとして販売してもまったく問題ない(BGMの無断使用以外)くらいのクオリティだった。
 ある程度通常ゲームに飽きてきたころにこれを入れてみたら、これがとんでもなく面白い。文明や指導者は個性的だし、魔法は使えるし、英雄ユニットはいるしで、大いにハマった。サントラと称してシルク・ドゥ・ソレイユのCDまで買うほどにハマった。
 それどころか、プレイレポの投稿まで始めてしまった。後半の作品はあまりに外部のネタを盛り込みすぎたのでごちゃごちゃしていたが、難易度天帝まで行ったし、誰も考えつかなかった勝利方法を編み出したので、FfH2に関しては最終的に結構うまくなっていた自信はある。

PCを漁ってたら出てきた当時の画像。
 もう1つこのMODのいいところを挙げると、通常Civ4のような現実的な舞台設定で核ミサイルを発射したり、都市を破壊したりしていると、わりと心が荒んでくる気がするのである。一方FfH2でスケルトン軍団がオークと戦ったりする分にはそういう感覚はなくて済むわけで、これはファンタジー全般のいいところではないだろうか。
 というような感じで、FfH2は未だにアップデートがされているようなのでちょっと追いつけていないが、またプレイしたいと思っている。

Civ4からCiv6へ

 2010年頭に最後のプレイレポの投稿をしていて、以後は少しづつ遠ざかっていたが、こちらを見る限りファンコミュニティはその後ずいぶんいろいろあったようだ。
 その後最近になって、Civ5を飛ばしてCiv6をプレイしてみた。新要素がいろいろあって戸惑ったものの、徐々に慣れてきて、なるほど今作も面白いという感想だ。システムが複雑化しているせいか、AIの動作(特に戦争)にお粗末なところがあって、4よりも上の難易度で同レベルくらいに感じる。他方で文明と指導者、遺産がものすごく増えているので(未だに日本文明に出会えていない)、より勉強にもなるしプレイの幅も広がっているだろう。
 戦争と宗教勝利が妙に楽なのに対し、それ以外は他文明に置いていかれがちなので、プレイレポを見てうまい人のやり方を学びたい。
 全体的に思うのは、宗教への個性の追加、マップ上の自然遺産の追加、スキル持ち英雄ユニットの追加など、Fall from Heaven IIから取ってるんじゃ・・・という要素が結構あることである。やっぱり制作側もMODを楽しんでたんじゃないかと思ってしまう。

学習ゲームとしてのシヴィライゼーション

 最後に言いたいのは、このシヴィライゼーションというシリーズ、国際政治の勉強として最適なんじゃないかということである。ヨーロッパユニバーサリスなどと比べたら歴史の厳密な再現は苦手だが、、その分時代や文明の幅は広いし、政治に必要な要素はだいたい盛り込まれている。伝統のシヴィロペディアもあり、歴史に関する情報量も相当なものだろう。
 学習目的のゲームをシリアスゲームというらしいが、だいたいにおいて勉強メインのゲームというのは面白くない。その点シヴィライゼーションはまったく問題がないし、マインクラフトとかだけじゃなくて本作ももっと活用されてもいいと思う。
 そのためには、エディットモードを充実させるとか、実際の地形に文明を配置したマップを用意してくれると、いろいろと参考になるのではないだろうか。

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