音楽が素晴らしいスーファミ作品ベスト10

Gayaline

 こんなご時世にはできるだけ楽しいことをしたいですが、その1つとしてゲーム音楽を聴くというのはいいんじゃないかと思います。そこで、SFCのゲームの中から音楽が特に印象深いものをピックアップしてみました。あえてマイナーな作品からチョイスしたので、新しい発見もきっとあるでしょう。


 見ての通り、今回はよくあるベストテン企画だが、ここではできるだけ知られていないものに注目したいので、メジャーなものは一切取り上げないことにした。つまりFFなしコナミなし、ロックマンなしクインテット作品なしである(エストポリスとかヘラクレスの栄光もメジャー扱い)。そんな縛りでのランキングはどのような結果になるだろうか。

 なお、個々の順位に関しては本当はどうでもいいというか、甲乙つけがたいのだが、わかりやすさ重視ということでこういう形式にしてみた。

第10位:46億年物語

 RPGからアクションになったエニックス制作のソフト。実は作曲がすぎやまこういち氏であり、全体的に印象深い曲が多い。

 特にデデデン!デデデン!から始まるボス曲「自然の掟」はインパクト抜群の曲で、バトル曲としてはすぎやま氏の最高傑作なんじゃないかとさえ思っている。あとは爬虫類時代のステージ曲など。ドラクエでは聴けないコミカルな曲調が楽しめる。

 曲数やボリュームはそこまでではないものの、デデデン!デデデン!だけでも聴いてほしい。

第9位:RPGツクール1&2 

 2作まとめてのランクインということになるが、現在まで続くRPGツクール系の(ほぼ)元祖であるこの2作は、実はBGMがかなりいい感じである。

 本作のBGMの問題はこれらがあくまで素材だということで、こうした曲が固定して使用されているのはサンプルゲームしかない。おかげでじっくり聴かれる機会も少ないし、「どの場面の曲」というのも確定しない。

 そして、いざ聴いてみるとなかなかのクオリティであることがわかる。バトル曲っぽい1のBGM72のBGM7はなかなかかっこいいし、1のBGM22はいかにもなフィールド曲、BGM21は地下世界とか特殊なフィールド曲としていい感じだと思う。いかにもバトルっぽい曲が少ないせいでどのゲームも同じ曲になるのが残念なのだが、1はコミカルなBGM12を戦闘に使うのが好きだった。

 さらにイベント曲っぽいものも充実しており、なおかつ1曲がやたら長いのが密かな特徴である。2のBGM8(重苦しい出だしからの哀愁漂うメロディの曲)は1ループ4分近くある名曲だし、一部で有名な2のBGM4(Depressionと呼ばれているやつ)も印象深い。

 こんなボリュームある曲ばかりだったの!?と驚くこと請け合いなので、ぜひ一度聴いてみてほしい。

第8位:アルカエスト 

 HAL研とスクウェアという、今考えると驚きのコラボの結果生まれたアクションゲーム。カービィを作っているところがこんなスタンダードなファンタジーを作っていたとは。ちなみに攻略はこちらにあります

 そしてありがたいことに、作曲者は初代からカービィの曲を担当している石川淳氏なのである。つまり本作は、氏がカービィ以外の曲を作ったらどうなるかということがわかる貴重な作品でもある。

 曲の中身はというと、もちろんいつものポップ調ではないが、ステージ曲にはなんとなくカービィっぽさが漂っている(スーパーデラックスと音源がほぼ同じというのもある)。ラスボス第一形態の曲などはそれがわかるだろう。

 ピックアップしたい曲はバトル曲である。帝国将軍たちとのバトルダークドラゴンなどの章ボスバトルが特に印象深い。

 音楽に加えてキャラクターやゲーム内容も素晴らしいのに、かなりマイナーに留まっている作品なのでぜひプレイしてみてほしい。

第7位:描いて・作って・遊べる デザエモン

 ツクール系からもう1作品ランクイン。シューティングツクール的なものだ。

 こちらはBGMうんぬんよりもまず、搭載されているミュージックシーケンサーのクオリティが素晴らしい。マリオペイントの作曲機能はよく知られているが、それ以上に多彩な曲を豊富な音源で作れるのが本作なのだ。

 そして驚くことに、本作のBGMはすべてこのシーケンサーによって作られており、2和音+オートのリズム隊という制限のある構成にもかかわらず、これだけの曲が作られているのだ。

 そのクオリティは高く、サンプルゲームのステージ曲&ボス曲はどれも耳に残るものばかりだし(以前Midiを作ったくらい)、おまけに隠し曲が大量に収録されている(セレクトを押しながら曲を選択すると聴ける)。

 隠し曲の中にはクラシックアレンジもあり、同社のSTG「大王」からの収録曲もある。サンプルゲームの曲群はN64のデザエモン3Dでさらにクオリティアップしているので、そちらも注目だ。

第6位:スーパーボンバーマン ぱにっくボンバーW

 SFCのボンバーマンの曲はどれもいいが、特に取り上げるとしたらこれ。ボンバーマンを題材にした落ち物パズルだ。

 世界の国々を旅してライバルと戦っていく展開だが、ジャマイカのラスタボンバーならレゲエ調、日本のカラオケボンバーなら演歌調とワールドミュージックの個性が出ているのが特徴。

 語り草なのがイギリスのメタルボンバーの曲である。その名の通りメタルあるいはハードロック調で、超カッコいい。その他、いつものボンバーマン曲のアレンジとなっている各ステージ曲もいい感じだ。特にアメリカステージとか。

第5位:イーハトーヴォ物語

 「マイナーながら曲が素晴らしい」というゲームとしてしばしば名前を聞くため、むしろメジャーになっている作品。宮沢賢治の小説の世界を再現した、戦闘のないRPGのような内容だ。

 実際に多和田吏氏による楽曲は奥行きもボリュームもたっぷりで、タイトル画面の「イーハトーヴォ讃歌」から早速、壮大な曲調で圧倒してくれる。他にも虔十公園林、グスコーブドリの伝記、雪渡りなどそれぞれのストーリーで場面に合ったBGMが用意され、ラストの銀河鉄道の夜に繋がる。

 どの場面の曲も叙情あふれる名曲ばかりだが、1つピックアップするとしたらやはり「」だろう。ギターの伴奏をベースに管弦楽器が奏でるメロディは、まさに「故郷」を思い起こさせてくれる。

第4位:カオスシード 風水回廊記

 ランクインしたものは甲乙つけがたいと言ったが、以下4作についてはそうでもなく、絶対上位に収めたい「ビッグ4」である。というかゲーム音楽全体でもこれらがベスト4かもしれない。

 同じ塩生康範氏らのエストポリス伝記に比べてマイナーだということで選出。ドットアニメも細かいしストーリーは複雑だしシステムは面白いし曲も素晴らしいという、超絶名作である。

 古代中国風世界観ということでそれっぽい曲調だが、ラスボス曲の「死闘の果て」などこれエストポリスのボス曲じゃね?と思うようなものもある。つまりエストの曲が好きな人なら最高に満足できるはずだ。

 おすすめ曲はどれかというと、全部である。マジで。シナリオごとに変わる仙窟内の曲はどれも素晴らしいし、各キャラのテーマ曲も個性が出ていて最高。チャイナ感あふれる明紅のテーマもいいし、エストポリスの終盤っぽいケブレスの曲もいい。そしてヒロインのテーマもそうとは思えないお気楽な曲だが、聴いているととても味があるのがわかる。

 曲数、音源、内容どれをとっても最高で、どんなに聴いても飽きない作品だ。

第3位:ごきんじょ冒険隊

 須藤真澄氏のキャラクターデザインがとっても目立つかわいいだけじゃないRPG。伝説のゲーム音楽作曲家ともいえる森彰彦氏が作曲しており、とにかく各曲のクオリティがやばい。やばいとしか言いようがない。

 のっけからタイトル画面の曲が素晴らしい。ノスタルジックなイントロから、ノリのいいメロディが展開されるパートに移ってゆく。おそらくこの曲が本作のメインテーマだろう。そして自宅で起床する時の曲(暫定タイトル:おはようマーチ)も素晴らしい。コミカルかつ元気いっぱいな曲調で、冒険の始まりという気分を盛り上げてくれる。幼稚園の曲もこれに似た楽しいムードだ。

 もちろん戦闘曲も申し分なく、ジャズ風の通常戦闘、トランスっぽいボス戦、シリアスでミスティックアークっぽい悪意戦などバリエーション豊かかつ名曲ぞろいだ。サッカー仮面Jのテーマもアルカイザーを思い起こさせるヒーロー感たっぷりのナンバーである。

 個人的に一押しなのがななこのテーマである。普段聴けるものは1ループが短いが、デパート屋上のイベントの際にはフルバージョンで聴ける。つまり結構なマイナー曲なのだが、このフルバージョンは実に楽しい一曲となっている。ななこ隊に入りたくなってくる名曲なので、一度聴いてみてほしい。

第2位:トレジャーハンターG

 BGMが世界最高クラスにもかかわらずまったく話題にならないのがこの作品。作曲は岩田匡治氏、崎元仁氏のオウガバトル(あるいはFFT)コンビと、スティングの田中光人氏などが共同で行っている。

 何が素晴らしいって、まず曲名である。例によって岩田&崎元コンビの影響なのか(FFTのサウンドテストを参照)、非常に個性的なタイトルが勢ぞろいしている。「我が故郷、父不在」「勝利の美酒」といったゲーム内容に合ったもの、「“寄ってかない?”」「“組織には逆らえねぇ”」といった曲の雰囲気を表現したもの(“組織には逆らえねぇ”は本当にタイトル通りで、組織には逆らえねぇ感が半端じゃない)、「備中高松城の水攻め」「密漁船とロシア警備艇」といった何だかよくわからないものまで実に多彩で覚えやすい。

 本作の特筆すべきポイントはまだまだあり、第2に曲数がやたらと多く、73曲もある。これはスーファミの曲数としては最大級だろう。音源も後期だけあって非常に洗練されている。

 その中でピックアップ曲というと、まずはフィールド曲の「ACROSS THE WORLD」である。本作ではフィールドは単に通過するだけなのでこの曲をじっくり聴く機会はまずないが、いざ聴いてみると本当に素晴らしい。雰囲気としてはFF9のフィールドに近い、メインテーマ的な曲となっている。

 町の曲「我が故郷、父不在」「粋な港町」「愛のボサノバ」のどれも落ち着いた雰囲気がいいし、「はりりりりぃぃぃぃ」のテンションの高さ、「森林浴2」のいかにも森の中っぽい感じ、「世界の洞窟から3」の変拍子、「赤組がんばれ!白組がんばれ!」のラグタイムと取り上げていったらきりがなく、一曲一曲がじっくり楽しむ価値のあるものである。

 もちろんバトル曲も充実しており、通常戦闘の「GO!GO!Kids」は以前Midiを作ったくらいお気に入りだし、FFTのボス曲っぽい「DEMI HUMANばとる」、さっき挙げた「密漁船とロシア警備艇」もロシア警備艇が密漁船を追跡する場面を描写した(ゲーム内容とはちょっと違うけど)名曲である。

第1位:ミスティックアーク

 栄えある第1位の評価を与えたいのがミスティックアークだ。作曲はごきんじょ冒険隊と同じ森彰彦氏。氏のゲーム音楽に遺した功績は本当に偉大だと思う(紫炎 ザ・ブレイドチェイサーも要注目)。

 曲数は51曲とトレGより少ないものの1人で作曲したものとしては圧倒的だし、音源の質も申し分なく、トレGと同じように曲タイトルが面白い。何かの偶然だろうか。

 曲調はバラエティ豊かで、「いざ、冒険にゆかん!!」「闘う君のひとみはいつも美しい」といったいかにもなRPGの音楽から、本作の目玉であるさまざまな世界の雰囲気を反映した「遊牧の民」「アローン」「おとぎの国の物語」、おどろおどろしさ満載の「戦慄の館」、他にも楽しい場面、悲しい場面にぴったりな曲が多数存在している。

 とりわけ人気があるのが戦闘曲で、「闇の手先が、ここにもいたか」「さぁ、ちからみなぎる、おれが相手だ!」「ヘイ、たたかってるぜ!」「洞窟の深淵で僕たちを待ちうけるやつらは、ちょっと手強いぞ」「休みには、外の光を浴びよう」「勝負の時」「闘う君のひとみはいつも美しい」「おまえが闇の正体か」と8曲も存在し、どれも極上のサウンドを提供してくれる。

 イントロがかっこよすぎる「さぁ、ちからみなぎる、おれが相手だ!」や、ハードロック調バリバリの「ヘイ、たたかってるぜ!」なんかが特に耳に残るが、およそ戦闘曲とは思えないタイトルの「休みには、外の光を浴びよう」にも注目だ。中盤から盛り上がりを見せ、後半のトランス調のピアノが入るところからループに至るまでの箇所は聴いていて大興奮である。

 他にも、作曲者が微妙に主張している「ここはどこ?私は森!」とか、塔っぽいBGMランキングを作ったら確実に上位に食い込むであろう「のぼれ!のぼれ!」、ドラクエ5の結婚式みたいなワルツの「シャル・ウィ・ダンス?」、など挙げたい曲は山ほどあるが、聴いていて気分が実に和むのは「少年の夏」だろう。ほんとにメロディが美しい。

 加えて、ただ個々の曲がいいだけではなく、ドラクエ6に見られるような「モチーフ」を使って全体に一貫したテーマをもたせているのがわかる。この点に関してはもう少し詳しく調査する必要があるものだが、たとえば「母なる神の爾座」のメロディが「ヘイ、たたかってるぜ!」の後半に現れるとともに「勝負の時」のメインメロディにもなり、「勝負の時」後半のモチーフがラスボスの「おまえが闇の正体か」にも使われているなど、聴けば聴くほど各曲の繋がりがわかってくるものとなっている。


 あまり知られていなそうなところからベスト10をピックアップしてみたが、いかがだっただろうか。ゲーム音楽好きで、この中にまだ聴いたことのないゲームの曲があったなら、ぜひともプレイするなり音楽だけ聴いてみるなりして、このスーファミ時代の至宝の数々を堪能してみてほしい。

 音楽の良し悪しなどは当然ながら好みも大いに影響するだろうし、自分なりのベスト10を考えてみるのも面白いだろう。

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へほくん
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ゲーム紹介・攻略情報サイト「God Bird」管理人。根っからのゲーム好きで、攻略やおすすめソフト紹介のほか、最近では昔の資料を引っ張り出して貴重な情報を発掘したり、ゲームの歴史を調べたりしています。
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