海外ゲーム雑誌紹介:RetroGamer173号

Gayaline

 今回は海外のゲーム文化の一端をうかがえる資料として、海外ゲーム雑誌の内容を紹介したいと思います。紹介するのは、人気の高いレトロゲーム雑誌『RetroGamer』です。この雑誌はイギリスで作られていて、アメリカやヨーロッパ諸国でも幅広く見かけることができます。空港でも手に入るので旅行の際はぜひ探してみましょう。以下ではそのうちの2017年に刊行された173号の内容を見ていきます。

表紙およびメイン特集はスーパーマリオサンシャイン。レトロゲームとしてこの辺の時代のものを扱っているのは珍しいかもしれない。またスーファミミニの姿も見られる。

 雑誌の構成はレギュラーページと個々のソフトの紹介が主で、内訳はこんな感じ。

BubsyというのはSNESで出ていたゲームのキャラクターで、新作の「Bubsy: The Woolies Strike Back」が久々に出るのでそのメーカーへのインタビュー。ニュースはSam Dyerという人の『Neo Geo: A Visual History ネオジオ~目で楽しむ軌跡~』という新著(内容は英語)の紹介。海外でこんな本が出てるとは。Mr. Biffoはライターによるコラムで、その次のはクリエイターへのインタビュー。そしてお次はすごいコレクターを紹介するページ。

今回紹介されているスティーブン・レスター氏は、1万ポンド(約150万円)ぶんのゲームを集めたようだ。そもそも好きなハードのAtari STがわからないが、ゲームパソコンのようだ。この人は海外ゲーム専門だが、日本のゲームも集めている人も別の号で見た。

 次のBack to the Noughtiesというのは特定の年のピックアップで、今回は2000年。WWFのゲームが最大の出来事らしい。あとは各ハードの売り上げトップも載っている。パーフェクトダークとか時のオカリナはわかるが、PSランキングがスポーツゲームに埋め尽くされているのはいかにも海外だ。また当時のゲーム雑誌の紹介も地味に貴重で、英語では『Computer & Video Games』『Edge』『Arcade』というのがあったらしい。

 その他は主にゲーム紹介だが、珍しいのはゲームの特徴なんかを解説するだけではなく、内容紹介や攻略もあることだ。マリオサンシャインだったらドルピックタウンだとかピンナパークだとかのマップ紹介があって、そのゲーム発売当時の雑誌に近い感じだ。単なる思い出語りではなく、「今からプレイする」というのを念頭に置いていることがうかがえてポイントが高い。以下はACのショックトルーパーズの攻略記事。なんともマニアック。

 他にも「文学原作のゲーム」特集なんかもあった。ホビットの冒険なんかはわかるが、『銀河ヒッチハイク・ガイド』のゲーム化があったとは。サウンドノベル的システムのようだ。

 この号はアタリ2600とかアタリジャガーとか馴染みのないハードのゲーム紹介が多いが、カービィの鏡の大迷宮など日本製のものもちょくちょく出てくる。スーファミミニの紹介では、収録ソフトに対するライターの評価つき。

アクションでは魂斗羅スピリッツと悪魔城ドラキュラ、スーパーメトロイドなんかが5つ星で、ロックマンXが3つとは。RPGではFF6とマザー2が満点で、マリオRPGが3つなのは納得がいかない。まあ筆者が点をつけるなら全部満点だけど。そしてカービィボウル(Kirby’s Dream Course)の真価は海外ではまだ理解されていないようだ。また、最後に書いてある「しかしこれはとても完全とは言えない。複数ジャンルが混ざっているのは楽しいと同時に不満でもあるし、バーチャルコンソールで新しいゲームをダウンロードできないのは機会を逃しているように思える」というのはまさに同意である。「ニンテンドー64ミニも早く来て!」これもまさしく。

 という感じで、Retrogamer誌はゲーム紹介あり、攻略あり、インタビューありと読み応えたっぷりのレトロゲーム雑誌である。これを読めば、海外にもこれだけのレトロゲーム好きがいて、日々知識を交換しているということがよくわかるだろう。本誌は電子雑誌販売サイトZinioで購入可能なので、気になった人はぜひチェックしてみてほしい。英語が問題なければ。

アタリ2600ミニなんてあるんだ・・・

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