FFシリーズ
残念召喚獣決定戦


ファイナルファンタジーシリーズの代名詞と言えば、強力な召喚獣である。
代表たるバハムートは1から登場しているし、ストーリーに深く関わるものも多い。
ほとんどのキャラは作品を超えないので、FFらしさを演出するのに召喚獣は最も貢献しているといえるだろう。
だが、FFの歴史の中でちっとも省みられずに忘れられてしまった召喚獣もいたりする。
そのため、そんなマイナーな召喚獣の中でも最も残念なのは誰か、ということを決定するいやな大会を開いてみた。
ここではいかに「残念」であるかを判定するのに以下の三つの要素を用いて検証した。

ポッと出

次回作に登場するほどメジャーになれなかったということであり、同僚の召喚獣との競争に負けたことを意味する。本大会の出場資格はポッと出であることが前提となっている。

存在感がない

上の規準だけではジハードやエデンなどの作品ごとの最強召喚獣も含まれてしまうので、さらにその作品内で存在感があるかどうかも評価する。召喚獣であるからには、それなりのインパクトのあるデザインや出会いが必要である。つまり店で売っていたり、単なる動物だったりすると高得点となる。

がっかり

加えて、その他の点でプレーヤーを失望させたところも評価した。例えば実力が期待外れであったり、いわくつきで登場しながらその後忘れ去られたりするとかなりのがっかりレベルということになる。

以下の三点を満たしている召喚獣、つまりポッと出で、存在感がなく、プレイヤーを心底がっかりさせた者こそが真の残念召喚獣の王座に輝くこととなる。
いかにダメであるかが規準のため、勝敗が逆のように見えるがこれは事実上の最下位決定戦なのでしょうがない。

なお、シリーズを通して出てくる召喚獣は6のバハムートのように扱いが極端に悪くなることがあるが、それは他作品では知名度があることの裏返しなので今回は除外した。
あと今回の対象はナンバリング作品のみで、10以降は未プレイのため対象外なのはご勘弁を。


選手紹介

各作品ごとの出場選手を紹介する。

FF3からは、エントリーなし。チョコボですら有効な使い道が存在するし、ここでの全ての召喚獣がシリーズの顔として定着しているという事実を考えれば当然かも。
FF4からは、ドラゴンアスラがエントリー。ドラゴンはイベントにも登場し、リディアの母親との関連もあるという重要キャラでありながら、その後の作品にはおらず、名前もミストドラゴンではなくドラゴンという地味さを買われて出場。アスラは面白いデザインなのに、夫に比べて後の作品で全く出世しなかったというところが評価された。ザコ召喚獣はマイナーだけどザコとしては著名なので今回は除外。
FF5からは、レモラがエントリー。実にマイナーな召喚獣であり、群れで呼び出され、効果も麻痺のみというのが泣けてくる。本作ではエッグマンも候補に挙がるがこちらは別作品の人気キャラなので今回は参戦ならず。
FF6からのエントリーはビスマルクヴァルガリマンダラクシュミ。ビスマルクはリヴァイアサンの代打として鳴り物入りで登場したが、全く定着しなかった謎のクジラであった。ヴァルガリマンダは冒頭からイベントに関わったものの、その後は単なるボスでしかなく、結局そのイベントの意味も明かされないままだった。ラクシュミはインド由来だとFFには定着しないという法則を体現したような幻獣。
FF7からはクジャタがエントリー。得意技のトライディザスターを前作の鳥と奪い合った結果、どちらも忘れ去られてしまったという悲しい経歴が評価され参戦。
FF8からはグラシャラボラスがエントリー。入手に手間がかかるため初回では忘れられがちな点と、せっかく似ているのだから名前が魔列車なら定着しそうだったのにという指摘によりエントリー。次点にパンデモニウムがいるが、一応風神というキャラと関連しているので。
FF9からは残念ながらエントリーなし。ポッと出が少ない上に、アトモスはムービーにも登場するし、アークはさすがにがっかりではないので出場資格は与えられなかった。

対決は一対一で行なう勝ち抜きトーナメント形式とした。
対戦カードは公平を期すためあいうえお順で決定。以下の通りとなった。


試合結果報告

第一試合 アスラVSヴァルガリマンダ
イベントに関わる召喚獣同士の対決。アスラはランダム召喚の使えなさで攻め、対するマンダは複合属性なのが逆に欠点となっているところをアピール。
さらにビッグスとウェッジはなぜ消えたのか、氷漬けだったのは何の意味があるのか、
ティナをトランスさせておいてその後は襲ってくるだけなのか
といった設定の穴をこれでもかと見せ付けるマンダに、幻獣界でまっとうに暮らしているだけのアスラは泣き顔を見せて降参。彼女の敗北となった。

結果 ヴァルガリマンダの勝利

第二試合 クジャタVSグラシャラボラス
まずはただの通過地点に浮いているだけという入手方法の地味さでクジャタが先制パンチをかける!これには専用の記事も存在しているグラシャラボラスはたじろぐ。
一方グラシャラボラスは、相手に体当たりするだけなのにステータス異常を起こし、さらにその効果は前作のハーデスの焼き直しという点や、ネーミングの不可解さで反撃。
しかし効果ということならクジャタは、最後に起こす地響きはなんなのかというもっともな疑問で見事にカウンター。グラシャラボラスは脱線し、横転した。

結果 クジャタの勝利

第三試合 ドラゴンVSビスマルク
この勝負、ドラゴンの分があまりに悪い。曲がりなりにもスーファミ初、そしてATBも形態変化も最初という記念すべきボスであるミストドラゴンの姿と、角の一本もついてないそこら辺のクジラとでは残念具合が圧倒的な差である。
ドラゴン側は続編に出れそうもない名前の地味さで必死にしのぐが、それも「バブルブロウ」のしょぼさの前に手も足も出ず。雲散霧消した。

結果 ビスマルクの勝利

第四試合 ラクシュミVSレモラ
FFシリーズ内での名前の出てこなさはどちらも互角。話題に上っているのを見たこともない。
ラクシュミは同郷のアスラが敗退したこともあってやる気十分であり、全体ケアルガと大差なくセラフィムとも被っているという効果の微妙さをアピール。レモラに致命的なダメージ。
しかしレモラは複数いる世にも珍しい召喚獣だった!残りのレモラ達が反撃を開始する。
上位召喚獣はイベントで手に入れなければならない5の世界で、レモラは店売りという安っぽさで攻撃、ラクシュミがひるんだ所を、さらにレモラは蜃気楼の街でも売られていると追撃!
「ラスト間近でコバンザメって・・・買っても使った人いるの?」と言いながらラクシュミは絵の中に消えた。

結果 レモラの勝利

準決勝第一試合 ヴァルガリマンダVSクジャタ
奇しくもトライディザスター使い同士の因縁の対決となった。
勝負は長引くと思われたが、ここでマンダが切り札を使用!
実は今までの表記は間違っており、正しくは「ヴァリガルマンダ」だった!
おそらく気付かなかった人もいるはずなので、名前もちゃんと覚えてもらえなかったという残念パワーが直撃し、クジャタはライフストリームに還って行った。

結果 ヴァ「リ」ガルマンダの勝利

準決勝第二試合 ビスマルクVSレモラ
海の仲間による勝負が始まった。レモラは相変わらず安っぽさをアピール。
しかしマイナーだけでは残念の王者にはなれない。
返すビスマルクの必殺技、それは、唯一の水属性召喚獣であるという重責をリヴァイアサンから引き継ぎながらその役目を果たせず、次回作でまたリヴァイアサンが戻ってきてしまった点にある。
それどころかアドバンス版では6にもリヴァイアサンが追加されてしまったらしい。なおのこと空気である。
リヴァイアサンのポジションというプレッシャーがグラビガのごとくのしかかり、レモラに大ダメージ。彼らはまとめて海に還って行った。

結果 ビスマルクの勝利

決勝戦 ヴァリガルマンダVSビスマルク
本大会の勝者を決める6の幻獣同士の対決は、実に果てしないものだった。
ファントムやゾーナ・シーカー、セラフィムにラグナロックといったポッと出仲間が見守る中、両者は激しく激突した。
あれほど必死に守ったのにその後はノータッチという残念さでヴァルガリマンダが攻めれば、
ビスマルクはセリフも一切ないと言って受け流す。
基礎知識編に画面写真が二枚載っているのはビスマルクだけだから優遇されている、と些細な点をマンダが突くと、
ビスマルクでしか覚えられない魔法はない、というカウンターが返ってくる。
もはや褒めているのかけなしているのかわからない膠着状態の中、決定打が同じく攻略本から生まれた。
FF大全集の記述によると、ビスマルクは「世界の全ての海を支配下に収める偉大な海の主だ」
偉大な海の主の出番が捕まっているだけなのはどう考えても残念。
この一撃がマンダにクリーンヒット、再び氷漬けになって崖から落ちて行った。

結果 ビスマルクの勝利



表彰式

特別ゲストを迎えて行なわれた表彰式の模様は以下の通り。

というわけでFFシリーズ残念召喚獣決定戦の勝者は、ビスマルクに大決定したのだ!
見事優勝したビスマルク選手には
「優勝です。なぜなら、あなたは!役立たず以下、だからだー!」
と書かれた直筆の色紙と、
副賞のエクスカリパーが授与されますですよ!
ビスマルク選手、何かコメントは?

「いいから次回作に出してください」



彼らがまた出てきてくれる日を願って。

後日談

彼の祈りが通じたのか、なんとビスマルクさんはその後DSの「チョコボと魔法の絵本」への登場が叶ったのであった!
しかもなぜか「川にいる」「サボテンやカメを食べる」という要素でもってリヴァイアサンとの差別化を図ることにも成功している。
今回はそんな喜びのさなかにいるビスマルク氏に再度インタビューを試みてみました。
ビスマルクさん!新作への出演おめでとうございます!
「ありがとうございます。リヴァイアサンのやつを見返してやるために研鑽を欠かさなかったことが出演に繋がったのだと思います。」
以前と違って、立派なおヒゲをたくわえられてますよね。何かコメントは?
「ラクシュミさん、ファントムさん、ゾーナ・シーカーさんのように、まだ出れていない同僚がいます。彼らが再登場できるまでは、安心できません。」

さすがに、長い苦難の時代を経験している人物?の言葉は立派なものであった。



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マイナー召喚獣に愛を。