第3回 元ネタ講座・スクウェア編


やっと再開しましたこのコーナー。いろいろやりたいことはあったのだけど。
今回は、近日公開予定の「幻想」とも連動している企画で、一言で言うと、「幻想動物に興味を持とう!」って言うことです。

さて、幻想動物とは、過去には実在すると考えられていた個性的な生物達のことである。
そのバリエーションも様々で、代表的なドラゴンから、ツチノコみたいに最近のものまで存在?する。

そんなモンスターがたくさん登場するスクウェア作品の、シリーズごとの傾向を紹介していこう。
モンスターもゲームの1つの顔である。

FFT

これはかなりテーブルトーク色が強い。テーブルトーク色とはどういうものかというと、
まず「そのモンスターが大量に存在する」こと。例えばオーガ、ゾンビ、ゴーストなど。
加えてその敵が固有名詞ではないという事。たとえるなら「アフリカゾウ」はいっぱいいるけど「ダンボ」は一頭しかいない(いるのか?)、みたいな感じ。
こっちの方が「戦っているのは自分達だけ」ではなく「他にもたくさん冒険者がいる」という雰囲気がでている。

FFU

Tと大差ないが、だいぶネタぎれ感が強く、その分オリジナルなモンスターも多数登場している。
グリーンスライムを始めとするプリン達、ボムなどの爆弾系、謎生物モルボルはUからの登場で、後の作品の基盤を築いている。

FFV

ここで一段と様相が変わる。作者が相当詳しい本でも読んだのか、マイナーな幻想動物が多数登場する。
タンギー、ルフ、ファージャルグ、カリュプディスなどである。普通誰も知らない。
その代わり、モルボルなどは姿を消してしまい、「アイス〜」「〜ゾンビ」のような安直な発想の敵もほとんどいない。
裏を返せばシリーズ1ボキャブラリーが豊富だといえよう。アケローン、シノレス、シムルグなど気になりだしたらたまらないだろう。
他に重要なことは、ベヒーモス、コカトリスがまだ生き残っていることとか、「ニンジャ」系の敵の登場などが挙げられる。

W以降

これより先に共通する形式は、シリーズおなじみのモンスター+オリジナル+少数のマイナー幻想動物
という形で組み立てられている。Wならベヒーモス+アームドママル+ルドラ(なんか作為的だ)で、
Xだとマインドフレア+せんぷうまじん+メリジューヌってとこ。
その後、Y辺りから世界観も手伝って機械系モンスターが一気に増えてくる。

サガシリーズ

1・2は、非常に多彩なバリエーションで、ランク付けもきっちりとなされている。キメラ→ぬえ→スフィンクス→きりんなど。
系統別に分かれているので、元ネタを調べる際にも非常にわかりやすい。
3は・・・スクウェア大阪(例:くいだおれ)+マイナー(例:サルガタナス)っていう形。
このビミョ−なモンスターどもが、後のルドラに繋がるのか・・・

ロマサガシリーズ

まず知っておくべきことは、ロマサガは他のシリーズに比べてはるかに和風だということ。
魔法ではなくて「術」だし、「法力」だし・・・モンスターもその例に漏れない。
基本的にオリジナルで、最も奇抜なデザインである。
中にはワニゲータ、エレキテル、かえるの王様などまじめに考えると相当ブッとんでるのも存在。

聖剣シリーズ

根底にあるのは、ドラクエシリーズと同じで「何回も戦ってイヤにならないようなかわいいものにする」ということ。
単にゲームボーイでサイズが限られているのでああなったのかもしれないけれど、その考えは次回作にも影響されている。
よってネーミングも名前で見た目が想像できないもの(FFVみたいな)は避けて、なるべくわかりやすいものにされている。

ルドラの秘宝

さて、皆さんお待ちかね、ルドラの登場。
この作品は、相当にスゴい。まず基本はSFである。ベルゼブルとか。「〜ドラゴン」や「〜ゴブリン」のようなものは一切存在しない。
そして、元ネタを仏教やギリシャ語、シェイクスピアなどから持ってきて、抽象的な名前を付けている。
このことはどういうことかというと、モンスターをゲームに登場させているのではなく、新しく「創造」しているのである。まさにルドラ。さすがはゴモラ。
キャラが動き回ることによって一匹一匹の個性も相当強い。
「単なる岩」と「腕に変形して殴ってくる岩」とでは大きな違いである。

その他のメ−カーの作品

幻想動物の宝庫としてどうしても外せないのは、女神転生とオウガバトルシリーズ。
女神転生は言うまでもなく、全ての悪魔がいろんなところから顔を見せている。
オウガバトルは、特に人名が凄い。基本的に悪者は悪魔の名前なのである。それがたとえ自分側だとしても。
ロンウェー、ゼベク、ボルドウィン・グレンデルなどがわかりやすい。

さあ、これでFFにいろんな幻想動物が登場していることはわかったけど、ではその幻想動物はどんな奴なのさ?詳しく知りたい!
という方のために、近日「ファンタジー博物館」をオープンする予定です。
最初の展示は「幻獣たちの王」ドラゴン展です。請うご期待!
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上からきおったな! かえれ!!