ルドラ研究の歴史

ゲームに対する楽しみ方の一つとして、データを調査したり、敵の倒し方を考えたりという「攻略」があります。
その点から見ると、ルドラはとりわけその攻略がユーザーに委ねられている面がとても大きいものでした。
詳しくは後述しますが、その主な理由は公式の攻略情報が不完全だったからです。
最大の資料たる攻略本はなぜかNTT出版から出されず(解体真書やアルティマニアなんてものは当時なかった)、
ファミ通による攻略本はデータ以外は実際のプレイで調べたものとしか思えないものでした。
そのような事情もあって、多くの人がルドラの秘密を解き明かすのに熱中したのです。
特に言霊システムに関しては、内容が内容だけに非常に難解で、すぐに解明できるものではありませんでした。
18年の時を経た今はようやくそれなりに理解できるものになっていますが、
それもこれも数多くのルドラ研究者のおかげです。

ここではそうしたルドラ研究の歴史をまとめるべく、どの段階で何がわかっていたのかということを辿っていきます。
特に、言霊システムがどうやって解明されていったかということに対しては重点的に扱います。
これで、言霊研究の歴史を再構成することが可能なはずです。
とはいえネット上の情報は数限りなく多く、どこが最初かを特定するのは困難なので、ここに記した歴史はあくまで一つの可能性だということを留意してください。


発売直後〜ゲーム雑誌と攻略本〜

雑誌による攻略

当然ながら、ゲームの攻略が最も盛んになるのはそのソフトの発売直後である。
ルドラもその例に漏れず、発売前から多くの雑誌が攻略を行った。
詳しくはこちらを見てほしいが、
この段階で判明していた主な隠し要素は、アイスソード、ストラグル、方舟ワープ、オヤッサンといったところである。
言霊研究の進行度合いも雑誌によって様々だが、一つ言えるのは法則を意識した記事は言霊システムをよく理解しているということだ。
例えばゲームオンの記事は法則を解明しようという意図が見られるだけではなく、「接頭語」といった概念も用いている。
一方ダメなパターンは手近にある単語をただ入れまくるというもので、これはデータは多く集まるものの、それを分析する理論が生まれない。
もう一つの言霊研究の重要なステップとしては、敵の言霊を観察するというものがある。
これをうまく行えば、言霊の仕組みが接頭語+根底語であることや、二文字言霊の存在が明らかになるはずである。
ゲームウォーカーの記事は「ジン」を根底語にした言霊を複数作っているなど、この点を理解していた節がある。

攻略本の公式情報

その後出版されたファミ通攻略本はというと、言霊システムおよび隠しイベントやアイテムについてはほとんど何も明かされなかった。
ストラグルやアイスソードの取り方はおろか、DOAの場所すら載っていないのである。よっぽど猪突猛進で進んでいたのだろう。
だが、この攻略本に載っていたアイテムと敵のデータはおそらくスクウェア提供のものであり、そこには普通まず見つからないアイテムも含まれていた。
さらにそのデータの中に、やさしさとうんの存在がほのめかされていた点も重要だ。
これらのデータのおかげで、後に(現在も)幾人もの人が幻のアイテムを求めてルドラ世界を探し回るようになったといえる。
ある意味、攻略本の手抜かりがルドラ研究の歴史を作ったのである。
一方、意外なことに冥界のほこらへの行き方やシュミセンでの分岐については書いてあったりする。
もっともサーレント入りルドラやゾンビスルトのデータがなかったりと実に不完全なものだが。

ユーザーが発見した要素一覧

この段階で公式や雑誌によって公開されたデータは出そろったわけだが、当時判明していなかった要素を一覧にまとめてみよう。
ここに載っているものはすべて、その後誰かが発見して広まったことなのだ。
イベント
・バルキリー入手 ・トリフィド出現
アイテム
・いばらのむち ・ディスラス ・ハーキュリーズ
・あいのむち ・キャタリーナ ・フールシューズ
・(海底ピラミッドの)へカティのころも
言霊
・アプソロウやスカルド、インフィーニなど無数の同義語
・キラ、プトなどのいくつかの二文字言霊
・ハッテーキラなどの未使用言霊
・カルキメビトやクラウキジンのような理論上最強言霊
データ
・武器の特効の正確な情報
・ザコモンスターの属性と特性
・各種計算式
・敵の言霊や特技の効果
裏技・バグ
・海底歩行(+その他脱出関係) ・サオサン ・ダヨン ・ウラルドラ
・魔防、物防ループ ・素手特効残存バグ ・終章移行時アイテム増殖
システム関係(主要なもののみ)
・言霊システム全般 ・能力変化言霊の追加効果 ・やさしさの影響
・狂戦士タメ ・ほうちょう系の効果 ・陽属性による浄化
・素手攻撃の名称と威力 ・ヌークの性質 ・ラスボスのバリアチェンジ
・ボスのダメージ限界 ・再ターゲット補正


2000年ごろまで〜次期るどらの功績〜

偽言霊教典の知識

インターネットが徐々に普及し、個人による情報交換が可能になると、一つのサイトに情報を集約する形で、ルドラの攻略も行われた。
その最たるものが、「次期るどら」である。詳しくはこちらを参照。
遡れる情報には限界があるため、すべての発見が明らかになるわけではないが、
1999年1月の段階で「偽言霊教典」が完成しており(リンク先参照)、ここでは補助言霊を除いたあらゆる言霊の階級と効果、および基本威力が明らかにされている。
このことを整理してみよう。これに至るには、まず接頭語+根底語という言霊の基本構造への分解が必要となる。
次に、イグから始まってイグナ、イグルスと続きグランイグナに至るそれぞれの階級の基本形がわかっていなければならない。
これはゲーム中にもある程度語られているものの、雑誌記事ではグランイグやイグテースなど間違いも含まれているので、これを整理できたのが大きな一歩である。
さらに、基本形の言霊が二文字言霊で代用できるということもこの段階で判明している。この発見には、敵の使用する言霊の綿密な観察が必要なことは言うまでもない。
ここまでが、いわば言霊システムの前半部である。これだけでも大きな進歩だが、次期るどらの情報はさらに後半部にまで踏み込んでいる。

残りの部分を理解するには、どうしても言霊の威力を算出しなければならない。
そしておそらく存在する唯一の威力算出法は、回復言霊に変換して測ることである。
しかしそれを測るには、やさしさの実測と、その回復言霊の影響を知っていることが要求される。
やさしさについては攻略本が触れていたが、それが何に影響するかについては一切説明がなかった。
従って、推定される研究の道筋はやさしさの影響の判明回復言霊の計算式の把握基本威力&接頭語の威力の測定
というものであり、この手順以外で威力を知ることはできないだろう。
やさしさについては、一応除外しても威力は測れるが、レベルアップで上昇することを知らないと誤差が出ることになる。
偽言霊教典に基本威力が書いてあるということは、これだけの要素をすべて把握していたことになる。
加えてデータのページでは、一文字の接頭語とゲーム中に登場する接頭語の効果も調査されている。
言霊についてこの時点で記載されていないのは、属性干渉の影響、グラフィックの変化法則、およびその他の接頭語の効果くらいである。
この大発見を担った人物は、偽言霊教典の記述を見る限りCokEtoriさん、くらげ研究員さん、小山さん、Zinさん、ててぃさんのようだ。
とりわけくらげ研究員さんは言霊の威力のほとんどを調査されたようであるし、
cokEtoriさんは言霊のみならず海底歩行や再ターゲット補正など数多くの要素の発見者として名が挙がっており、
ルドラ研究に多大なる貢献をした二人として名を残している。
CokEtoriさんのお話によると、言霊威力測定法の確立には回復言霊の効果のほかにも、
アドスンとエクスピアがダメージ固定なことや、クアルによる威力最小化の発見もあり、徐々に達成されていったようである。
その後、各種計算式についての広範な調査を行ったダイタイガーさんによって、物理・言霊のダメージ計算式が投稿された。
こちらは現在見ると不正確な部分があるものの、この方はルドラを25周クリアされたというだけあって、
多くの部分で核心にまで近付いた成果となっている。

言霊以外の要素に関しても、攻略コーナーを見る限り、2000年8月の段階で多数の発見がなされていたことがわかる。
ここまでに確実に判明しているといえることを以下に整理してみよう。

2000年8月までに発見された要素一覧

イベント
・バルキリー入手 ・トリフィド出現
アイテム
・ディスラス ・ハーキュリーズ ・あいのむち
・キャタリーナ ・へカティのころも
言霊システム
・言霊の構造理解 ・階級の基本形 ・二文字言霊の性質
・回復言霊の威力 ・基本威力 ・多くの接頭語の効果
・ハッテーキラ
裏技・バグ
・海底歩行(+その他脱出関係)
・魔防、物防ループ ・素手特効残存バグ ・終章移行時アイテム増殖
システム関係
・やさしさの影響 ・ダメージ限界
・ラスボスのバリアチェンジ ・再ターゲット補正 
この中のいくつかはサイトには確認できないが、当時の方々の証言から、すでに発見されていたということがわかる。

例えばキャタリーナとへカティのころもも次期るどらで発見されたが、サイトには反映されず口コミのみで知られていたらしい。
辿ることができたキャタリーナに関する最古の発言はSecret-Gangの掲示板のもので、日付は2000年7月21日。この時にはもう見つかっていたようだ。
バルキリーのイベントに関しても発見した時はお祭り状態だったという話がある。
当時は多くの方が次期るどらの掲示板で情報をやりとりしており、その人達の協力がこれだけの成果となって現われたのだろう。
総合的攻略の完成〜誤銃連邪さんの奮闘〜

攻略探索の書の作成

以下では、次期るどらの更新停止後、散逸した2000年ごろの情報をまとめ直し、
そこにさらなるデータを追加して現在の「攻略探索の書」として完成を見るまでを扱う。
この時期に活躍した中心人物は、ユーズドゲームズに投稿が掲載もされた誤銃連邪さんである。
以前行ったインタビューによると、氏は2000年の言霊のみプレイの投稿までネット環境はなく、独自に言霊研究をされていたらしい。
すると、あの記事を見ればわかるように誤銃連邪さんはこの時に少なくとも二文字言霊の把握のステップまで進んでいたことがわかる。
威力の算出は行っていなかったようだが、ここで使っている「コペファカリ」からコペをはじめとする効率のいい接頭語の効果も理解していたようだ。
レポート掲載後に誤銃連邪さんはSecret-Gangの言霊掲示板を発見、以後この掲示板で情報をやりとりしながら言霊格納庫(現在も閲覧可能)に多数の言霊を投稿されていた。
この点は、2001年の3月6日に言霊掲示板におそらく初登場だと思われる書き込みがある点からも確証される。
そうした中で、2002年1月ごろに攻略探索の書の計画が持ち上がり、誤銃連邪さんの全面協力の下で記事が作成されていった。
ここで特筆すべきなのは9月ごろ完成した「言霊一覧表」「言霊グラフィックの変化について」のページで、
前者は判明しているありとあらゆる同義語を記載し、その接頭語としての効果まで調べてあるという、死ぬほど労力をかけて作られたデータである。
同義語に関しては当時ここGOD BIRDでも「大義林」を作成しており、2002年の8月30日に完成していたようだが、
こちらはただ同義語としての効果が載っているだけなので、言霊一覧表の作成にかけられた手間は計り知れない。
一方後者のグラフィックに関しては、記憶の限りでは次期るどらでは詳しく調査がなされておらず、こちらも初の発見である。
誤銃連邪さんはグラフィックを威力の目安にしていたそうなので、その着眼点はまさに正しかったといえる。
さらに、属性干渉の影響についても、言霊一覧表付属のテキストファイルで解説がなされていた。


これらの発見に加えて、その他の記事もSecret-Gang管理人の竹倉冬也さんとの共同作業で作成されていった。
攻略探索の書が一通りの完成を見たのが2003年6月23日であり、その内容は現在読むことができる通りである。
ここに至って、ルドラのデータ面での攻略はほぼ出そろったわけだ。

一応言っておくと、攻略探索の書と同時期に、GOD BIRDでも上述の大義林の他に言霊講座を作成していた。
これは当時暗黙の了解として多くの人が知っていた言霊システムの構造を、順を追って説明したものである。
そこでの話の流れを見ればわかるかと思うが、ここで説明している順番はまさに次期るどらの推定された言霊解明ステップそのものであり、
結局先人達が発見したことを再発見した結果が、あの講座となって反映されている。

いくつかの傍証〜2ちゃんねる他〜

2ちゃんねる上の情報

さすがに当時知っていたサイトのみを取り上げてこれがすべてだと言うわけにはいかないので、
他にも情報が出回っていなかったかどうか調べてみた。主な対象はご存じ巨大掲示板「2ちゃんねる」である。
そもそも2ちゃんねるよりも上記サイトのほうが古いわけだが、
ルドラ関係で検索してみると、全体としては非常に人がまばらなものの2001年ごろは比較的多くスレッドが存在していたことがわかる。
主なものを挙げると、
★ルドラの秘法★言霊大辞典★
ルドラの秘法総合スレ〜滅亡まであと16日〜
ルドラの秘宝を攻略本より詳しく解析するスレ
といったところだ。最初の二つは誤字っているところがそもそもひどいが、ここではそれなりに活発な情報交換がなされている。
特に最初のものは情報が充実しており、レス101に同義語の一覧がある上に、507では言霊の構造分析が書き込まれている。これで正解である。
しかし、どうやらここの人々はすでに存在していた次期るどらは見ずに自力で分析していたようで、威力の測定にまでは至っていない。
威力の話が出てくるのは2つ目のスレッドからだが、それ以前にリンクが貼られていることもあって、これは次期るどらからの引用だろう。

2ちゃんねるの内容で興味深いのはダヨンであって、これは「ルドラの秘宝ってどないでっか?」の19、2001年2月8日にまで辿ることができる。
もちろん次期るどらではそれ以前に話が出ていたかもしれないが、確認できた最古の記述がこれである。
おまけとして、昔流布していたデマの「サーレイツォ」が「★ルドラの秘法★」の231にあるので、一度見てみるといいだろう。
ちなみにルドラのデマといえば、こちらの掲示板の100番にはまた別の話が書き込まれている。
昔うちの掲示板に書き込んだ人に教えてもらったのだが、「モンスターがほうりだされ、ビッグバン!」のくだりは脱力するしかないだろう。

さて、2ちゃんねるのリンクから、もうひとつ詳細なデータを載せているサイトを発見できた。
My Game Database」というところで、記録を辿ると2000年末にはすでにルドラのデータが存在している。
これは威力が相対的な表記になっていることからもわかるように、独自に調査したデータのようで、
一部の二文字言霊も確定していないものの、同義語がかなり豊富に掲載されている。いくつかは偽言霊教典にない同義語も見られる。

発見時期が不明な情報〜いまだ残る謎〜

これまでに見たサイト、次期るどらと攻略探索の書によって、現在わかっているほとんどの情報が出そろったことが明らかになった。
しかし、その中でも、いくつかは明確な発見の記述が見られない、由来が不明な情報が存在する。
それをまとめてみよう。

裏技関係

特に謎なのは、ダヨンウラルドラなどの発生条件が非常に限られる隠し要素である。
オヤッサンはファミマガのウル技として載っていたが、これも個人が発見できたとは思えず、スクウェアからのリーク情報なのではないかという気さえする。
サオサンに至っては2ちゃんねるですら相当後になってから(2002年2月)しか言及されていない。
2002年5月に、攻略探索の書の「ウラルドラ」にてこれらの要素はまとめて記述されたようだが、
少なくともそれ以前から口コミで広まっていたのは確かなので、誰がどこで見つけたのかは謎のままである。
再びcokEtoriさんの証言によると、これらの裏言霊は裏技として投稿サイトに記載されていたらしい。
しかし、これについても余所からの転載の可能性は高く、起源にはいまだたどり着けていないままである。
その他にも不明なことは多いので、発見当時の状況を知っている方はぜひ情報を提供してほしい。

まとめ

無闇に長くなってしまったので、わかったことを簡潔にまとめてみよう。
まず、言霊研究の歴史だが、これは第一に、敵の使ってくる言霊を観察するのが最初のステップだった。
この観察から言霊の構造理解、各階級の整理、二文字言霊の把握が可能となった。
ここまでは、何人かの人が辿りつくことができたと思われる。
だが、言霊の威力を計測できるようにするには、大きなブレイクスルーが必要だった。
次期るどらの誰か(おそらくくらげ研究員さん)が回復言霊の効果が一定であることに気づき、そこに謎のパラメータであるやさしさをからめて、回復言霊の計算式を発見した。
そしてそこから、回復言霊に変換することによって基本威力と、接頭語の威力の算出方法を確立したのである。
ここまでは2000年までに行われていた。
その後、誤銃連邪さんが自力で発見していた知見の下にこの成果を引き継ぎ、膨大なデータを調べ上げただけでなく、
グラフィックの変化や属性干渉などの法則の解明を行った。

これが2002年のことである。
以上の内容を、ルドラ言霊研究の歴史として記録したい。

その他の隠し要素やアイテムについても、次期るどらの段階で多くが発見されていたが、
いくつかは謎のままである。

もちろん、こうして過去を振り返っているからといって、これ以後はもう新しい発見はないと考えているわけではない。
特にバグなどはまだいくらでも隠れている可能性があり、発見できるかどうかはいかに多くのプレイがなされるかにかかっているので、
今後もさらなる発見を求めて、ルドラ研究をどんどん続けてほしい。

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