ルドラ言霊完全調査
「言霊のすべて」改訂版
ここでは、ルドラの秘宝の言霊システムのすべてを分析するために、その基本から細かい計算式まで、あらゆる情報を載せています。
以下の記述は、「次期るどら」の言霊教典や「攻略探索の書」の誤銃連邪さん達の研究によって明らかにされたことに加え、2018年に「言霊システム特許の分析」によって新発見された事実もここに反映しています。当ページではそれらをまとめ、データによって実証も行っています。各セクションの前半はルール解説、後半は実例による実証です。
これまでのルドラ研究の集大成が、ここにはあります。
目次 |
言霊の単語データについて
ルドラでは入力可能なカタカナの1から6文字までの特定の組み合わせが、無数にデータとして組み込まれている。
それらの言葉はすべてに単独の効果と接頭語として使ったときの効果の2種類の特徴がさまざまなパラメータ(威力・MPの加算および属性・範囲・効果の付与の有無など)によって設定されている。その内容は「攻略探索の書」の「言霊一覧表」に網羅されており、単独の効果のみは当サイト「大義林」にも載っている。
例えば、「イグ」は単独の効果としては火属性、消費MP(以下消費と表記)1、威力10であり、接頭語の効果は消費+1、威力+8、火属性付加、範囲単体化である。
任意の言葉がどのような同義語であるかは、以下のフォーム
で大義林内を検索可能。ただし完全一致のみ。どの効果かを知りたい場合はさらに検索する必要があるが、属性だけ知りたい場合は便利である。
単語の読み取り方について
言霊を入力すると、以下の読み方でデータ内の単語と照らし合わせ、入力された言霊を検索していく。
単語は長いものから先に、後ろから検索される。具体的には、まず頭から6文字をチェックし、そこで該当しなければ2文字目から6文字目までの5文字をチェックする。以下だんだん検索の幅を短くしていき、2文字以上の単語がなければ6文字目を単独で読み取る。
次に、残った部分を同様にチェックし、すべての検索が終わるまでこの作業は行われる。
「シーオダイバ」を読み取る場合、まず「ダイバ」を検出し、次に「オ」を検出し、最後に「シー」が検出されるので、シー+オ+ダイバという構造になる。「ダイ」という単語もあるが、「ダイバ」が優先される。
「ナニヒ」はナニ+ヒとも読めるが、「ニヒ」が先に検出されるのでナ+ニヒとなる。
効果の決定もこの順に後ろから計算される。詳しくは次の節で。
効果の決定について
上記の作業で入力された言霊を単語に分解した後で、分解結果に基づいて効果の決定がなされる。
まず、最初に検出された単語(後ろから1〜6文字の単語)の単独の効果が基礎として置かれる。この単語はそれ以後に読み取る単語とは扱いが異なるため、これを当サイトは「根底語」と呼んでいる。
根底語以後に読み取られるすべての単語は「接頭語」として扱われる。前述のように各単語には、根底語としての効果と接頭語としての効果が別々に設定されている。
接頭語が存在する場合、基本的に根底語の効果に対して、接頭語の効果を加算する処理が行われる。
威力の数値が途中でマイナスになっても、0よりは下がらず0として扱われる。消費は0以下は0ではなく1となる。
基本は以上であるが、接頭語の属性が根底語や他の接頭語と異なる場合、様々な干渉が生じる。詳細は次節で解説する。
「シーオダイバ」ならば、ダイバ(プラートの同義語、地属性、消費12、威力70、複数)にオ(消費+5、威力+13、複数)とシー(消費+3、威力+22)を加え、地属性、消費20、威力105、対象複数の言霊が出来上がる。
グラフィックについてはプラートLv3のものになるが、決定方法については別の箇所で述べる。
数値に負の値がないために、途中で負の値が算出される言霊は語の順番によって最終的な効果が異なる現象が起こる。
「キティダレス」は消費6、「ティキダレス」は消費2であり、「カッキエ」は威力36、「キカッエ」は威力38となる。
接頭語について
接頭語にはそれぞれ加算威力とMPが設定されているが、すべての場合に値の通りに加算が行われるわけではない。根底語と異なる属性をもった接頭語をつけると、威力が単純に加算されない「属性干渉」という現象が起こる。
属性干渉は、それが起こらないパターンも含めて5種類に分けられる。
- パターン(1):接頭語の属性が根底語の属性と同属性(無属性同士は除く)の場合、威力はそのまま加算される。この際、範囲を変化させる接頭語をつけても、範囲変化は起こらない。
- パターン(2):接頭語の属性が根底語の属性と相反する場合、威力は加算されず、それ以前の威力が半分になる。範囲や属性は変化しない。
- パターン(3):接頭語の属性が根底語の属性の同属性でも反属性でもない(無属性は除く)場合、接頭語の威力の半分が加算される。範囲の変化も起こり、接頭語に属性付与がある時は、該当属性に変化する。
- パターン(4):根底語・接頭語のどちらかが無属性の場合、威力・MPはそのまま加算され、範囲の変化も行われる。接頭語に属性付与がある時は、該当属性に変化する。
- パターン(5):根底語が効果固定言霊(デスなど)の場合、特殊な例(後述)を除いて一切の接頭語による変化が行われない。
2回目以降の接頭語の加算は根底語に対してではなく、直前の結果に対して行われる。そのためパターン(2)で威力が半減された後の威力加算は通常通り行われる。
それぞれのパターンごとの接頭語による変化をまとめると、以下のようになる。威力固定については以下の「効果固定の根底語・接頭語について」で解説している。
パターン | (1) | (2) | (3) | (4) | (5) |
---|---|---|---|---|---|
威力 | 加算 | 半減 | 半分加算 | 加算 | 変化なし |
MP加算 | あり | あり | あり | あり | なし |
属性変化 | なし | なし | あり | あり | なし |
範囲変化 | なし | なし | あり | あり | なし |
威力固定 | なし | なし | あり | あり | あり |
特殊な干渉として、同じ接頭語が1つの言霊内で複数用いられた場合、その接頭語の威力が加算された後にその時点の威力が半分にされる。3つ目ではさらに威力が半減される。間に他の単語を挟んでも半減の適用対象となる。
地属性は無属性と同様、属性干渉は起こらない。このことから、地属性というのは実際には属性ではなく、言霊の効果のことであるということができる。
同様に、回復や強化などの特殊効果をもつ言霊を接頭語とする場合もパターン(4)として扱われる。つまり威力はそのまま加算され、その他の変化も起こる。
威力加算がマイナスの接頭語が属性干渉を起こした場合、反属性の際は同じように威力が半減されるだけだが、反属性でも同属性でもない場合は、そのマイナス値の半分だけが加算される。
これはつまり、威力と消費の両方を下げる接頭語を使って低燃費言霊を作る場合は、ティやチェなど無属性の接頭語より、イヤやアンなど属性つきの接頭語を使ったほうが効率が良くなるということである。
たとえば、火属性で消費−6、威力−40のイヤを火属性のビトと雷属性のウスにつけてみる。そうすると消費は同じものの、イヤビトは威力70、イヤウスは威力90となって、干渉が発生したケースのほうが威力が高くなるのだ。
なお、接頭語による消費の増減は属性干渉とは無関係に起こる。
上記の内容は下に示す言霊威力のデータから実証される。
言霊名(属性) | 威力 | 接頭語名(属性) | 加算威力 |
---|---|---|---|
エ(陰) |
10 |
グア(陰) |
+10 |
グアエ(陰) |
20 |
ホ(陽) |
+4 |
ホエ(陰) |
5 |
ヲ(なし) |
+13 |
ヲホエ(陰) |
18 |
シ(水) |
+8 |
シエ(水) |
14 |
ラミ(火) |
+19 |
ラミシエ(水) |
7 |
チャ(地) |
+10 |
チャエ(地) |
20 |
ム(無) |
+8 |
ムエ(無) |
18 |
ュ(なし) |
+0 |
ムムエ(無) |
13 |
||
ムュムエ(無) |
13 | ||
ムムムエ(無) |
10 |
基本的に接頭語による反属性への変化は起こらないが、他の属性を経由することによって最終的に反属性にすることも可能である。従って「ホムエ」では陰属性から無属性を経由して陽属性となる。
グラフィックの変化について
すべての言霊には使用した際のグラフィックが設定されている。特殊効果のない攻撃・回復言霊にはさらに複数のグラフィックがあり、0-5までの「ランク」と0-2までの「レベル」によって指定される。
ランクは一般に言霊の階級と呼ばれているもので、0はそれぞれ単数と複数で基本言霊とナ級、1はルス級・ムル級、2はトーム級・ランデ級、3はレクス級・ナテース級、4はティーオ級・ラームル級、5はティウム級・グランナ級に相当する。
グラフィックランクの変化
接頭語をつけた際にはいくつかの場合でグラフィックランクの変化が起こるが、その結果はまた別の5つのパターンに分けられる。威力計算の時とは異なり、接頭語に属性付与があるかどうかでも結果は変化する。(A)同属性または無関係他属性で属性付与なしの場合
以下のテーブルに従って変化後のランクが算出される。↓基本語 →修飾語 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | |
0 | 0 | 1 | 1 | 2 | 3 | 3 |
1 | 1 | 2 | 2 | 3 | 3 | 4 |
2 | 1 | 2 | 3 | 3 | 4 | 4 |
3 | 2 | 3 | 3 | 4 | 4 | 5 |
4 | 3 | 3 | 4 | 4 | 5 | 5 |
5 | 3 | 4 | 4 | 5 | 5 | 5 |
(B)反属性の場合
元の言霊のランク/2(端数切捨て)となる。(C)無関係他属性で属性付与ありの場合
接頭語のランクに従って変化後のランクが決定される。それぞれ接頭語・変化後のランクが0→0、1→3、2→3、3→4、5→6、6→6と変化する。(D)属性付与ありの無属性の場合または根底語が無属性で接頭語が無属性以外・属性付与ありの場合
変化後のランクは接頭語のランクと同一になる。(E)属性付与なしの無属性の場合または根底語が無属性で接頭語が無属性以外・属性付与なしの場合
グラフィックランクの変化は起こらない。グラフィックレベルの変化
グラフィックレベルは、最終的な言霊の威力が、それぞれのランクごとに定められた2つの閾値α・βを超えているかどうかで、3種類に分かれる。すなわち、威力が弱い、中くらい、強いでそれぞれ異なるということである。閾値と威力からレベルを算出する式は以下の通り。レベル0・・・0≦威力<α
レベル1・・・α≦威力<β
レベル2・・・β≦威力<255
ランクごとの閾値の設定値については、誤銃連邪さんのデータを参照。レベル1・・・α≦威力<β
レベル2・・・β≦威力<255
火属性ランク5(イグティウム)の「ビト」に対してそれぞれ接頭語をつけてみる。
「カ(ランク0・火属性付与)」の場合は(A)のケースでランク3(イグティーオ)に、
「バリ(ランク0・雷属性・付与なし)」の場合も(A)のケースでランク3(イグティーオ)に、
「アワ(ランク0・水属性付与)」の場合は(B)のケースでランク2(イグレクス)に、
「エレ(ランク0・雷属性付与)」の場合は(C)のケースでランク0(トウ)に、
「グレー(ランク1・無属性付与)」の場合は(D)のケースでランク1(ニヒルス)に、
「ナニ(ランク0・無属性・付与なし)」の場合は(E)のケースでランク5(イグティウム)に、
グラフィックランクが変化する。
また無属性ランク5(ニヒティウム)の「ピパ」に対しては、
「カ(ランク0・火属性付与)」の場合は(D)のケースでランク0(イグ)に、
「グレー(ランク1・無属性付与)」の場合も(D)のケースでランク1(ニヒルス)に、
「バリ(ランク0・雷属性・付与なし)」の場合は(E)のケースでランク5(ニヒティウム)に、
それぞれグラフィックランクが変化する。根底語が無属性の場合とそうでない場合で違いがあるのがおわかりだろうか。
なお、イリログなど状態異常つきの言霊は、威力の違いにかかわらずに属性ごとに一定のグラフィックランクとみなされ、反属性でない限りパターン(A)で処理される。その際、イリログはランク1、アリロクは4、トリロウは3、テリロオは0、ソリロアは2として扱われる。たとえば、「イリログジン」は上記の表によりランク3となるが、反属性の「イリログミヌ」はパターン(B)によりランク2となる。
言霊のダメージについて
言霊の威力が実際のダメージにどう反映されるかは計算が複雑なためほとんど明らかになっていなかったが、
今回cokEtoriさんの全面的な協力によってほぼ確定した計算式にたどり着いた。
{かしこさ+(言霊威力×4)}=基礎ダメージ
この計算の後、基礎ダメージ×範囲係数×属性係数×バリア係数×再ターゲット補正=修正ダメージ
修正ダメージは上下に修正ダメージ÷16の範囲でばらつく。
ただし修正ダメージ〜最大ダメージ間は数値が存在しないため、最大ダメージのみが飛び抜けることとなる。
最後に、
ばらつき後ダメージ×(255−魔防)÷256=実測ダメージ
という計算がなされ、実際のダメージ値が算出される。最小ダメージ〜修正ダメージ間のパターン数は基礎ダメージ÷8で 算出され、
最小ダメージ〜修正ダメージ間はこの数になるまで修正ダメージから1ずつ引いたものがばらつき後ダメージとして計算される。
ダメージ計算の際の係数
・範囲係数・・・範囲が単数および全体のときは1、複数のときは0.75となる。敵が一体でも範囲が複数なら減算される。・属性係数・・・言霊の属性が相手の属性と同じなら0.5、反属性なら2、それ以外なら1となる。
・バリア係数・・・〜リームなどによって言霊の属性と同じ属性のバリアが張られている場合0.5、そうでない場合1となる。
・再ターゲット補正・・・言霊に限らないが、単体攻撃でコマンド選択時に選んだ敵がすでに倒れていた場合0.75、そうでない場合は1となる。
以上の結論を導くにあたって基準とした計測データをここに示す。
言霊ダメージ計測データ(エクセル)
言霊の命中率について
命中率について調査を行った結果、以下のことが明らかとなった。
- 言霊となる単語にはそれぞれ根底語としての「命中度」と、接頭語として使った際の「命中度」が存在する。
- 「命中度」は即死・消滅言霊の命中率に影響する。その他の要素の命中率への影響はおそらくない。
- 「命中度」は、根底語の場合も接頭語の場合も、多くが効果値の半分(端数切り上げ)で算出される。「デジョン」や「フラム」および回復言霊など例外もある。
- 接頭語を付加した時の命中度の計算は、一部の例外(以下の6)を除いて「(根底語の成分データの命中度+接頭語の修飾データの命中度)/2」である。
- 実際の命中率の計算式は、おそらく「言霊の命中度/256」である。
- あらゆる接頭語の影響を受けない即死・消滅言霊だが、威力固定の接頭語効果をもつ単語を接頭語にした際のみ、威力固定と同じ現象により命中度が固定される。固定後の命中度は、その接頭語の根底語としての命中度そのままである。
以上の内容を導くまでの過程については「ルドラ言霊の命中率に関する調査」を参照。
回復言霊について
回復言霊の回復量は、以下の計算式
やさしさ+言霊威力
によって算出される。
「やさしさ」は隠しパラメータであり、キャラクターごとに各レベルでの値が設定されている。一部のアイテムによっても変化する。回復言霊の回復量はやさしさと言霊威力以外の要素は影響しないので、言霊威力の算出に用いることができる。詳細は「ルドラ言霊講座 エキスパート編」を参照。
補助言霊について
攻撃・回復以外の効果をもつ補助言霊については、「ルドラ言霊講座 第3回 補助言霊編」を参照。
自然言霊について
同義語となる言霊のうち、ポルクス(海)、ヘグ(海)、ジーク(大気)、ヘブン(大気)、グラカーラ(大地)、ジーオー(大地)、メガミ(大気)は特殊な言霊で、それぞれ対応する自然が浄化される前は、最終的なダメージが半減する。こうした言霊を自然言霊と呼ぶ。
ただし、自然言霊のダメージ半減効果は、属性が変化すると失われる。たとえば開始時にはヘグはダメージが半減しているが、ドヘグ(雷)にするとダメージが元に戻り、結果的に倍以上の効果となる。
加えてすべての自然の浄化後には、ペルスアーンやじょうかやく以外でも陽属性言霊で汚染状態が解除できるようになる。
効果固定の根底語・接頭語について
一部の根底語には、接頭語による変化を無視する「効果固定」の属性が付与されているものがある。たとえば回復言霊は接頭語による威力やMPの変化は起こるが、回復効果を別のものにすることはできない。また即死や消滅の効果をもつ言霊は基本的に接頭語の変化をすべて無視する。
一方で、接頭語の側にも、根底語の効果を無視して、威力を一定値にする「威力固定」の効果をもつものが存在する。接頭語による威力固定は、前述のパターン(3)(4)および(5)の場合にしか起こらず、それ以外では通常の接頭語と同様に処理される。
また、威力固定の接頭語は命中率にも及ぶ上に、即死・消滅言霊の固定効果を上書きする。そのためあらゆる変化を無視するこれらの根底語にも、威力固定の接頭語による命中率の変化は発生する。
ただし、同じ効果固定言霊でもエクスピア系は威力200で固定で、「オイザル」などにしても効果は変わらない。アドスン系やスカ系も同様。