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ゲーム資料紹介

海外ゲーム雑誌紹介:RetroGamer173号

 今回は海外のゲーム文化の一端をうかがえる資料として、海外ゲーム雑誌の内容を紹介したいと思います。紹介するのは、人気の高いレトロゲーム雑誌『RetroGamer』です。この雑誌はイギリスで作られていて、アメリカやヨーロッパ諸国でも幅広く見かけることができます。空港でも手に入るので旅行の際はぜひ探してみましょう。以下ではそのうちの2017年に刊行された173号の内容を見ていきます。

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表紙およびメイン特集はスーパーマリオサンシャイン。レトロゲームとしてこの辺の時代のものを扱っているのは珍しいかもしれない。またスーファミミニの姿も見られる。

 

 雑誌の構成はレギュラーページと個々のソフトの紹介が主で、内訳はこんな感じ。

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BubsyというのはSNESで出ていたゲームのキャラクターで、新作の「Bubsy: The Woolies Strike Back」が久々に出るのでそのメーカーへのインタビュー。ニュースはSam Dyerという人の『Neo Geo: A Visual History ネオジオ~目で楽しむ軌跡~』という新著(内容は英語)の紹介。海外でこんな本が出てるとは。Mr. Biffoはライターによるコラムで、その次のはクリエイターへのインタビュー。そしてお次はすごいコレクターを紹介するページ。

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今回紹介されているスティーブン・レスター氏は、1万ポンド(約150万円)ぶんのゲームを集めたようだ。そもそも好きなハードのAtari STがわからないが、ゲームパソコンのようだ。この人は海外ゲーム専門だが、日本のゲームも集めている人も別の号で見た。

 次のBack to the Noughtiesというのは特定の年のピックアップで、今回は2000年。WWFのゲームが最大の出来事らしい。あとは各ハードの売り上げトップも載っている。パーフェクトダークとか時のオカリナはわかるが、PSランキングがスポーツゲームに埋め尽くされているのはいかにも海外だ。また当時のゲーム雑誌の紹介も地味に貴重で、英語では『Computer & Video Games』『Edge』『Arcade』というのがあったらしい。

 

 その他は主にゲーム紹介だが、珍しいのはゲームの特徴なんかを解説するだけではなく、内容紹介や攻略もあることだ。マリオサンシャインだったらドルピックタウンだとかピンナパークだとかのマップ紹介があって、そのゲーム発売当時の雑誌に近い感じだ。単なる思い出語りではなく、「今からプレイする」というのを念頭に置いていることがうかがえてポイントが高い。以下はACのショックトルーパーズの攻略記事。なんともマニアック。

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 他にも「文学原作のゲーム」特集なんかもあった。ホビットの冒険なんかはわかるが、『銀河ヒッチハイク・ガイド』のゲーム化があったとは。サウンドノベル的システムのようだ。

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 この号はアタリ2600とかアタリジャガーとか馴染みのないハードのゲーム紹介が多いが、カービィの鏡の大迷宮など日本製のものもちょくちょく出てくる。スーファミミニの紹介では、収録ソフトに対するライターの評価つき。

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アクションでは魂斗羅スピリッツと悪魔城ドラキュラ、スーパーメトロイドなんかが5つ星で、ロックマンXが3つとは。RPGではFF6とマザー2が満点で、マリオRPGが3つなのは納得がいかない。まあ筆者が点をつけるなら全部満点だけど。そしてカービィボウル(Kirby’s Dream Course)の真価は海外ではまだ理解されていないようだ。また、最後に書いてある「しかしこれはとても完全とは言えない。複数ジャンルが混ざっているのは楽しいと同時に不満でもあるし、バーチャルコンソールで新しいゲームをダウンロードできないのは機会を逃しているように思える」というのはまさに同意である。「ニンテンドー64ミニも早く来て!」これもまさしく。

 

 という感じで、Retrogamer誌はゲーム紹介あり、攻略あり、インタビューありと読み応えたっぷりのレトロゲーム雑誌である。これを読めば、海外にもこれだけのレトロゲーム好きがいて、日々知識を交換しているということがよくわかるだろう。本誌は電子雑誌販売サイトZinioで購入可能なので、気になった人はぜひチェックしてみてほしい。英語が問題なければ。

 

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アタリ2600ミニなんてあるんだ・・・

 

 

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ゲーム資料紹介   2018/09/24   へほくん

ミスティッククエストの越智善彦氏の漫画

密かに存在していた、越智善彦氏によるミスティッククエストの公式漫画。今回このきわめて貴重な資料を発掘したので、その内容をご紹介します。


SFCソフト「FFUSAミスティッククエスト」の情報を求めてファミマガを調べていたところ、漫画家のおちよしひこ(現:越智善彦)氏によるミスクエ漫画を32p分も発見した。これらは単行本化されておらず、幻の書き下ろしだといっていいだろう。

それ以前にも、越智氏がミスクエに関わっていることはわかっていた。NTT出版から出ている攻略本の扉イラストが同氏によるものだからだ。それに加え、ファミマガ1993年7月23日号付録の「ファイナルファンタジーUSAミスティッククエスト スクープガイドブック&コミック」にも、同氏の漫画が掲載されている。

どうやら越智氏はミスクエの公式イラストレーターに近い扱いだったようで、ご本人のページにも、この漫画がファミマガではなくスクウェアからの依頼だったことが記されている。つまり、ファミマガ掲載のこの漫画もプロモーション用だったといえそうだ。(ただ、同じくファミマガに載っていた杉森健氏のジェリーボーイの漫画も同様だろうから、珍しいことではなさそうだが)

ともかく、付録32p、雑誌16+16pと、ミスクエはたっぷりと漫画化されていたことになる。この内容が埋もれるのは惜しいので、可能な限り以下に紹介してみたい。

 

スクープガイドブック版

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  ファミリーコンピュータMagazine 1993年7月23日号 No.15付録 pp.48-49, 62-66

 

第1号の漫画がこれであるが、内容としてはオープニング+ストーリーダイジェスト+仲間キャラ紹介となっている。主人公(名無し)のほか、カレン、ロック、フェイ、レッドとの出会いの場面が描かれる。その過程はゲーム内の展開を忠実になぞったものである。ついでに「カレンが毒を受けた後も強い」とか「他の仲間もやたら強い」とか、ゲームの内容も踏まえた構成にもなっている。

 

ファミマガ本誌版その1

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ファミリーコンピュータMagazine 1993年8月20日号 No.17 pp.77-80, 83, 89

 

ゲーム発売少し前に掲載されたこちらの漫画は、なんと本編開始前のプレストーリーとなっている。展開としては、

ダークキングが勇者の出現を知る→ホワイトが勇者を探しに行く→ベヒーモスが何人かの勇者候補に襲いかかるも、相手にならず勇者でないことがわかる→勇者たる本編主人公、ついに発見

というものになっている。ダークキングに加え4つのクリスタルを封じるフレームサウルス、アイスゴーレム、ヒュドラ、パズズのイラストがあるほか、本編では最初に出てきてやられるだけのベヒーモスにキャラ付けがされていて面白い。というか結果的に、ホワイトとベヒーモスの目的が一致して、一緒に勇者を探し回っていたことになっている。

 

ファミマガ本誌版その2

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ファミリーコンピュータMagazine 1993年9月3日号 No.18 pp81-82, 84, 89, 93, 96

 

その次の号に掲載された第3段は、引き続きプレストーリーになっている。ホワイトがフェイリア→アクエリア→フォレスタと回って、それぞれレッド、フェイ、カレンと出会うという内容(ちなみにベヒーモスは地中についてきている)。残念ながらロックはいないが、ストーリー開始以前に、ホワイトとこの3人は顔見知りだったというわけだ。想像が膨らむ展開である。

ちなみに最後のページの枠外に「『俺の村』というセリフはなくなったそうです…」と書いてあるが、確かに付録版と見比べてみるとセリフが変わっている。そしてこの違いは、ここに書いてあるように英語版と日本語版の違いなのである。つまりこれは、数ヶ月の間に冒頭の運命の丘で沈む村が主人公のものではないという明確な変更がなされたということを意味している。(英語版は依然としてそのままだが)

あと、ファミマガ側の仕業なのか、今回は欄外にスクウェア作品紹介が載っている。FFやロマサガ、聖剣伝説がある一方でスクウェアのトムソーヤや魔界塔士はない。せっかくなので、95ページにあるミスクエの紹介文を書き写してみよう。

このコミックのもとになったのが、スクウェアがアメリカ市場に向けて独自に開発、発表したRPG『ミスティック クエスト』だ。日本で人気の『F・F』シリーズの世界を受け継いだ、外伝とでも言うべき作品なのだ。日本版とアメリカ版の違いは、文字が日本語になっているだけで、それ以外に変更点はない。「誰でも遊べるRPG」を目指して作られたという『ミスティック クエスト』は9月10日に発売される予定だ。

となっている。以前の記事でも書いたが、当時は発売の経緯がしっかり説明されていたことがわかるだろう。


というわけで、ミスティッククエストにはボリュームたっぷりの公式漫画が存在した、というのが今回の発見である。ただでさえ資料が少なく、非常に地味な作品に留まっているミスクエだが、当時はこれだけのアピールもされていたわけで、この漫画と一緒にゲーム自体ももう少し記憶に留まってくれれば幸いである。

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ゲーム資料紹介   2018/07/15   へほくん

ゲーム雑誌から何がわかるか~サ・ガ3記事を例に~

ファミマガの「時空の覇者サ・ガ3」についての記事を例に、ゲーム雑誌から一般にどのような情報が得られるかを解説。

ミスクエ記事と同じく、今度はファミマガでサガ3の記事を発見したのでご報告。

ただしこちらは一見して真新しい情報がないので、少々趣向を凝らして、一般にゲーム雑誌を参照するとどんなことがわかるのか、つまりゲーム雑誌は何の役に立つのかということを例示しながら記事を紹介したいと思う。

思うに、ゲーム雑誌が提供可能なゲームに関する情報のうち、直接のゲームプレイから得られる以上のものは、次の5種類に分けられる。

  1. 公式資料(イラストなど)
  2. ゲームの開発途中の情報
  3. 制作者インタビュー
  4. ゲームの新規性の情報
  5. 当時のゲーム業界の状況

「直接のゲームプレイから得られる以上」と書いたのは、これ以外にも雑誌記事ではゲームのストーリーやシステムも解説されているが、それに関しては当のゲームをプレイすれば十分に理解できるからだ。

では、以下に示すサ・ガ3の記事から、それぞれについての実例を示してみよう。ここで提示するのはファミマガの8ページの記事である。

サ・ガ3サ・ガ3

ファミリーコンピュータMagazine 1991年11月15日 No.22 pp.6-7

 

1.公式資料

これは見ての通り、ゲーム内に収録されていないイラストや設定などを知ることができるということである。

サ・ガ3

ファミリーコンピュータMagazine 1991年11月15日 No.22 p.8

わかりやすいのはこのようなキャラのイラストだが、それ以外にも世界の設定や背景などがわかることがある。ここには載せていないがロマサガ3の記事では、「術の起源とその発達」といった内容が書いてあるものがあった。ただしこの内容などは(ファミマガの方が詳しいにせよ)『練磨の書』にも載っている。つまり一般に、公式資料を得たいのならば攻略本や資料集がもっとも適しているといえる。

 

2.ゲームの開発途中の情報

これはわかりやすいだろう。前回前々回の記事がいい例である。雑誌に先行して公開される情報が必ずしも製品版に反映されるとは限らないために、かえって開発途中の姿を見ることができるというわけだ。こうした情報が攻略本に載っていることはめったにない。

 

3.制作者インタビュー

これも、とりわけ近年のゲーム雑誌の存在理由といっていいほどで、開発途中の報告から完成後の振り返りに至るまで、多くの段階でゲーム制作者が雑誌に登場する可能性がある。

ただし残念ながら今回はインタビューはなく、サガ3に関しては攻略本の『完全クリア編』を参照するのが一番だろう。

これら3つはわかりやすいものだが、それに加えてさらに2つ、ゲーム雑誌を読む意義を挙げることができる。それが「ゲームの新規性」と「当時のゲーム業界の状況」である。

 

4.ゲームの新規性の情報

新規性とはつまり、紹介されているゲームはそれ以前のものに比べて、何が革新的なのかということである。これはゲームの発展史を考える上で重要な意味を持つ。そしてこの点は、後から振り返った際に最も失われやすい。たとえばドラクエ1は安直なRPGに見えるし、FF4には斬新なシステムは何もないように見えるなどだ。

これはサガ3についても言える。ロマサガなどに比べ派手なシステムのない本作の画期的な点をすぐに挙げるのは難しいだろう。しかし、当時はその新規性は今よりずっとよく理解できたのであり、まともなゲーム雑誌ならとりわけこの点にフォーカスしている。例を挙げてみよう。

サ・ガ3

ファミリーコンピュータMagazine 1991年11月15日 No.22 p.9

ここでは前作のサガ2との差異として、肉とパーツにより種族の垣根を超えて変身できる点が新規性として語られている。同様に、

サ・ガ3

ファミリーコンピュータMagazine 1991年11月15日 No.22 pp.12

こちらのページで新しいのは「ジャンプ」である。もしかするとこの点に関しては、サガ3が世界初かもしれない。そしてこのジャンプが何の役に立つかと言えば、マップが多彩になるのに加えて、「道を塞いでいる町の人を飛び越えられる」のである。これはドラクエなどでよく悩まされていたことで、画期的な解決策といえる。そしてもちろん下にあるステスロスも新要素である。

このように、ゲーム雑誌での紹介はありきたりな箇所ではなく斬新な部分をピックアップして伝えてくれているし、逆に言えばゲームを紹介する際にもこうして特徴的な要素を抽出するのが最適な方法といえるだろう。

 

5.当時のゲーム業界の状況

最後に、ゲーム雑誌の利点として、「同時期に存在していたゲームをまとめて見ることができる」という点がある。これも現在では得にくい情報の1つである。たとえば星のカービィ3は一見して普通のSFCソフトだが、雑誌を見れば時代はとっくにNintendo64に移行しており、誰もが64に注目している中で発売された異質なソフトであることがすぐに理解できる。

サガ3もこれと状況は似ており、1991年の雑誌を見れば、FCは最後期で濃厚なRPGがぽつぽつ発売されており、SFCは出た直後でますます人気が高まっている最中だということが読み取れる。何より本作にとって決定的なのは、ロマンシングサ・ガが同時に開発されていたことである。同作の発売は1992年1月だが、この時期、前年の10月ごろには12月中旬発売予定と告知されており、これはサガ3とほぼ同時である。ファミマガの記事の多くがロマサガに割かれており、広告でもサガ3はおまけ扱いと、世間の目が新ハードから発売されるロマサガの方に向いていたことがよくわかる(当時これだけ注目され、売り上げも多かったロマサガ1が現在では相当忘れ去られているのは皮肉なことだが)。

つまり、ルドラの時と同じように、サガ3もまた発売タイミングが悪かった、しかもよりによって同じスクウェア作品に食われたと言うことができる。ただし両ケースの違いは、サガ3は腐っても100万本売れた魔界塔士サ・ガの続編であり、GBユーザーもそれなりに多かったということはあるが。


以上、サガ3のファミマガ記事を例に、ゲーム雑誌を調べることで何がわかるかを簡単に解説してみた。総じて筆者の言いたいのは、ゲーム史について何か考えるのであれば、ゲーム雑誌の情報は非常に役に立つということである。それぞれの媒体から得られる情報をまとめると次のようになる。

内容\媒体 ゲーム 攻略本 雑誌
ゲーム内容
設定資料 ×
開発中情報 × ×
インタビュー ×
新規性 × ×
業界状況 × ×

これを見れば、ゲーム雑誌がいかに有用な情報を満載しているかわかるだろう。その分入手しづらく、目的のゲームが載っている箇所を特定しづらいという難点はあるが。手元のゲーム雑誌も2、30年後には貴重な資料となるだろうから、ぜひとも保存することをおすすめしたい。

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ゲーム資料紹介   2018/07/01   へほくん

田尻智氏インタビューと未発売ゲーム「マジックボール」

今回もサテラビュー通信から貴重な情報をお届け。

サテラビューで受信できるスーパーファミコンアワーで放送された番組の1つに、「ゲーム虎の大穴」がある。

放送時期や時間帯などは以下のページにまとめたが、放送開始直後の1995年の夏には「夏休みスペシャル」となり、これまで10分だったところが20分×2に拡大された。

サテラビューで放送された番組・マガジンの一覧。

SFC用の衛星放送ツール「サテラビュー」で放送されていた番組と、マガジンの一覧を掲載しています。記載されている情報は当時のゲーム雑誌から調べ上げました。今や誰も知る人のいない貴重な写真が盛りだくさん。

その夏休みスペシャルの後半部分については詳細不明だったが、サテラビュー通信がその内容を保存していてくれた。「ゲームフリークス」というゲストにインタビューするコーナーのうち、その名前にぴったりなゲームフリークの田尻智氏を呼んだ回の詳細が載っているのだ。

サテラビュー通信

サテラビュー通信 1995年10月号 通巻4号 p.19

 

当時も結構有名だったとはいえ、ポケモンでブレイクする直前の田尻氏の貴重なインタビューである。内容は見ての通り、ベストゲーム5本とサテラビューに関する意見が語られている。ベストゲームはマガジン形式の解説付きで配信されているが、任天堂ハード以外だったらどうなっていたのか少々気になる。サテラビューに関しては、「ライブラリーのような感じで自由にデータを受信できればもっといい」という、十数年後に実現することになるアイデアを提示している。

ゲームフリークの新作って?

この田尻氏の発言部分は短いので大して重要でないように思われるかもしれないが、最後の箇所に注目してほしい。ゲームフリークから近いうちにSFCとGBの新作が出ると言っているところだ。これは何のソフトだろうか。

GBの方は当然ながら、約半年後に発売のポケモン赤緑である。これは言うまでもなく化け物級のヒットとなりゲームの歴史を変えた作品であるが、この当時は前情報もあまりなく、特に期待もされていなかった(ついでに発売直後も任天堂ファンの多くが64に注目してたのでほとんど話題にならなかった)。

しかしSFCの方は?スーファミの歴史に精通した人なら、ここで2本のソフトが思い当たるだろう。1つは1997年に発売された「BUSHI青龍伝」だ。見た目はアクションなのにターン制で、少ないターンで敵の撃破を目指すという変わり種のゲームで、杉森建氏のグラフィックがたっぷり堪能できる作品となっている。

ゲームフリークがその後SFCで発売したソフトはこれだけである。ではもう1本は何なのか。実は、前回に続いてこちらも発売されなかったソフトがあるのだ。

 

「マジックボール」:幻のジェリーボーイ2

それがマジックボールというソフトである。これはジェリーボーイ2として開発されていたものの、何らかの事情があって発売元を変更しなければならず、POWというパブリッシャーから出すことになったが、結局発売中止となってしまった。ネット上の情報によると流出したサンプルロムがあるらしいが、そんなものに頼らなくてもファミマガに記事がある。

マジックボール

ファミマガ64 1997年No.4 p.105

 

タイトルも発売元もジェリーボーイと違うが、ゲームフリーク開発であることが語られている。そして何より、この画面は誰がなんと言おうとジェリーボーイである。

おまけに本作では追加要素としてキャラクター選択が可能で、能力の異なる仲間を使い分けながら進んでいくものだったらしい。前作のジェリーボーイ自体が絶妙な操作感と難易度、多彩なステージで実に楽しい作品だっただけに、それがさらにパワーアップしたとなれば傑作間違いなしのはずだが、残念なことに世に出ることなく埋もれてしまった。

実際、当時このページを見た時に一発でジェリーボーイだと気付きとても楽しみにしていたが、その後何の言及もなくいつの間にか忘れ去られてしまったのはだいぶショックだった。

そうなってしまった以上諦めるしかないが、こうして記録して少しでも記憶に残るようにしたい。

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ゲーム資料紹介   2018/06/28   へほくん

未発売ゲーム紹介:猛虎伝説'95 阪神タイガース

サテラビュー通信に載っていた未発売ゲーム「猛虎伝説'95 阪神タイガース」について。

猛虎伝説'95 阪神タイガースとは

サテラビュー、正確に言うとサテラビューという機器で受信できる放送「スーパーファミコンアワー」では、「秘伝ソフト」という名称で発売前のソフトを遊ぶことができた。それをまとめようと以前体験版ゲームの一覧を作った際に、結局未発売となったゲームが2本含まれていることがわかった。その1つが、以下に紹介する「猛虎伝説'95 阪神タイガース(エンジェル)」である。ちなみにもう一方のクーリースカンクは後にPSで同タイトルのものが発売されている。

サテラビュー通信にはその体験版の紹介が載っている。

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サテラビュー通信 1995年8月号 通巻2号 p.7

 

これを見ると、通常の野球ゲームでありながら、阪神のチームだけを年代別に10チームも追加した仕様だったようだ。次号にはさらに詳しい記事が見られる。

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サテラビュー通信 1995年9月号 通巻3号 p.8

 

ここには詳しいゲームシステムの解説もあるので見てみよう。見た目は完全にファミスタ型で、真新しい点と言えば上述の歴代阪神10チーム収録というのと、選手紹介に実写取り込みが使用されているところくらいだろうか。

何より傑作なのは、ファミスタでおなじみの試合終了後のスポーツ誌画面に阪神ファン御用達の「デイリースポーツ」が使用されている点だ。見た目はそこまで特徴的ではないが(勝ってるのに「ー」が虎の尻尾になってないし)、果たして他チームでプレイして阪神を倒した場合はどうなったのだろうか。疑問は尽きない。

その他わかることとして、選手名の右に色のついた球体があるのはおそらく調子を表しており、選手のパラメータはパワー、ミート、チャンス、守備、走力、スタミナの6種。あとは一応他球団も収録されていて、「金村」が中日ドラゴンズにいるので95年次のデータのようだ。

なぜ発売中止に?

資料からはこれ以上の情報は得られないので、なぜ発売中止になったのかの真実を知ることはできない。しかし、いくつか思い当たることはある。

一見して言えるのは、このゲームはファミスタに似すぎてはいないかということである。投球画面ではほぼすべての情報配置がファミスタと同じ。打った時のスモール画面も同じ。試合終了後のスポーツ新聞のアイデアも同じ。加えて、選手の調子マークや「ミート」など前年にシリーズが開始したばかりのパワプロに似ているところもある。

断っておくが、この時期の野球ゲームは何でもかんでもこの画面形式だったわけではない。燃えプロにパワーリーグ、スーパーリアルベースボールに古田敦也のシミュレーションプロ野球など、大御所たるファミスタと差異化を計ろうとした野球ゲームは数多くあった。それらと比べても、本作はファミスタそのまんまである。従って、ナムコの側から何らかの苦情が来たというのが考えられる中止の理由の1つといえる(その他、デイリーから許可を取り損なったという可能性も無きにしもあらず)。

メーカーについてもチェックしてみよう。発売元のエンジェルはバンダイと関係があるらしく、これまでにガンダムを始めとするキャラゲーを多数出している。同時期にも「ノーマーク爆牌党」「美少女戦士セーラームーン~Another Story~」の体験版配信を行っており、その後もソフト発売があるなど、会社自体がどうにかなった様子はない。

ネット上の情報を見てみると、5月発売予定と書いてあり、この記事の7月末段階では発売日未定となっているので、何らかのトラブルが起きていたことは予想できる。

体験版は配信されたのか?

発売日の変遷を追っていく過程で、新たな疑惑が生まれた。このソフトの体験版の配信は本当になされたのかという疑問である。

7月の段階ではファミマガでもサテラビュー通信でも、配信がされるというアナウンスは確認できる。そして後者の2号によると7月24~30日配信だが、この週の番組表に阪神タイガースの名前はない。

3号の情報では配信は8月中となっているが、より情報が正確なファミ通の番組表にも名前が見当たらない。「新作(予定)」と書いてあるところにこれが入らなければ、であるが。

となると結局、このゲームは体験版も配信されなかった可能性が高く、当初想定していた「体験版のみ存在するゲーム」ではなかったのかもしれない。

内容が怪しいとはいえ、デイリーの件から言っても出ていればある種盛り上がったことだろうから、本作が闇に葬られたのはもったいないことである。

 

6/29追記

サテラーの方のコメントにより、「猛虎伝説'95 阪神タイガース」の体験版は配信されなかったことがわかった。その証拠に、サテラビュー通信11号 p.15の配信済みソフトの一覧にその名前がない(ついでにセーラームーンもない)。

これはつまり配信中止のケースもあるということであり、本当に配信が行われたのかどうか、番組表を見ながら細かくチェックしなければいけないようだ。

 

7/1さらに追記

徳間書店刊の書籍『幻の未発売ゲームを追え!』に、本作に関する情報が掲載されている。

ただし上で紹介した以上の情報はほぼなく、発売中止の経緯もわからない。新しいことといえば、ここに載っているファミマガ1995年2月24日号No.4の記事から、「VS COM」「VS 2P」「ペナントレース」「阪神オールスター」「トレーニング」「観戦」のゲームモードの存在くらい。

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ゲーム資料紹介   2018/06/26   へほくん

ファミマガのミスティッククエスト記事

とある理由でミスクエについて調べる必要が出てきたので、ファミマガの記事を探してみた。

ミスクエというのはご存知FFUSA ミスティッククエスト(SFC)のことで、開発はいわゆるスクウェア大阪。つまりサガ3とルドラの中間にある作品。

このソフトの最大の特徴はその「USA」の部分だが、その意味するものはよく誤解されがちで、ミスクエは「海外向けのFF」であり「海外産のFF」というわけではない。つまり米国市場に合わせて開発されたのが日本語にも訳されたということ。実際、北米では92年10月に発売されており、日本版はその約1年後。

ではそのファミマガの第一報を見てみよう。

ミスクエ1

ミスクエ2

ファミリーコンピュータMagazine 1993年7月9日 No.14 p.10-11

7月9日号なので発売は6月25日であり、すでに決定している発売日の3ヶ月前であることを考えると、情報が出るのは少々遅め。

画面写真も製品版と同じなので、開発がほぼ終了してから情報が出されたことがわかる。この辺はルドラと同じ。

内容を見てみると、アメリカで発売されていたもののローカライズ版であることが正しく伝えられているほか、「初めてRPGをプレイする人も迷わずにゲームを進めることができる」と、システム上の親切さが特にウリとして書かれている。

記事は6ページで、これ以降は主にゲームシステムの解説をしているわけだが、そこでも「RPG初心者もOK!」などとわかりやすさの面が大いに強調されている。つまりマップ上のポイント移動や動かないシンボルエンカウントにバトルポイント、あと書いてないけど全滅時のリトライシステムなどがそうだというわけ。

以前インタビューした際にストーリー担当の藤岡氏は海外で受け入れられやすいようにシンプルなものにしたとおっしゃっていたが、それは結果的にFF4イージータイプから続く「RPGの高難度化の風潮に対して、初心者にプレイしやすいゲーム」を生むことになったのではないかと思う。

実際、筆者が当時ミスクエをプレイした時は小学校低学年だったが、最後まで行けなかったFF5と違いこちらは見事クリアできたことからも、初心者の入門用RPGという役割は果たせていたことがわかる。(まあその1年前にドラクエ5はクリアしてたけど)


さて、もう一つ豆知識としてタイトルに関しての話。前年に発売された北米版は、この記事にある通り「Final Fantasy Mystic Quest」。そして日本語版は「ファイナルファンタジーUSA ミスティッククエスト」。

では、ここに先日たまたま入手した海外版ミスクエのカセットがあるので載せてみよう。

ミスクエ3

見ての通り、「Mystic Quest Legend」とあってFFの名前がない。左にSNESのPALバージョンと書いてあるが、これはDVDのリージョンなんかと同じでヨーロッパの映像方式のことで、「ヨーロッパ版スーファミ」ということ。

その辺少し解説すると、海外のスーファミはSNESと言うが、北米とヨーロッパでハードが違って、北米は平べったいソフトでハードの形も違い、NTSCのSNES、ヨーロッパでは見た感じ日本のものと同じだけど映像方式がPALで違うSNESが販売されていた。ソフトも一方にしかないものもあるとか。

ミスクエは無事両方の地域で発売されたわけだが、その際にタイトルからファイナルファンタジーが取り除かれたようだ。この際の事情は詳しく知らないが(ヨーロッパでは長いことFF本編が発売されていなかったことが関係あるかも)、ともかく海外版ソフトも1種類とは限らないということ。

となるとユーザーの受容の仕方もそれぞれ違うわけで、ヨーロッパではFFもない頃に出たミスクエのインパクトは、さらに大きかったのかもしれない。

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ゲーム資料紹介   2018/06/24   へほくん

サテラビュー通信入手

サテラビューの実施状況を知るためにとんでもなく重要な資料である「サテラビュー通信」をいくつか入手したので報告。

スベアキ氏のご協力のおかげで、この貴重な雑誌を入手することができた。内訳は通巻1、2、3、4、5、7、11号となっている。

こんな感じ。

サテラビュー通信

これは他のどの雑誌よりもサテラビューの情報が載っていると思われるものの、国会図書館に入っていないためまるっきり入手する手段がなかった。

なので以前行ったサテラビュー調査はこの雑誌なしでやらざるを得なかったわけだが、今回いくつか手に入ったことで、研究の大きな進展が見込まれる。

一番気になるサウンドリンクやオリジナルゲームについてももっと詳しい情報が得られることだろう。

成果はサイトの方に載せるので、お楽しみに。

残るサテラビュー通信は増刊号、6、8~10号。残りおよそ半分だが果たして手に入るのか。


内容についてもちょっと見てみよう。

サテラビュー通信2

増刊号の次となる創刊号がこれ。当然載っているべき番組表に加え、配信ゲーム紹介、番組の案内、配信マガジン紹介などに加え、ファミ通っぽい新作CDなんかの情報や、ラジオのファンコミュニティっぽいパーソナリティのコメントなんかがある。

つまりゲームに関しての情報はそこそこなのだが、画面写真なんかは盛りだくさんなのでその点は資料になるだろう。

どこまで詳しく扱うか迷っているが、一度聴いたらそれきりの番組の資料としても非常に貴重。それはつまり、爆笑問題や伊集院光の活動記録みたいなのがわかるわけだが、果たしてどこまで知りたい人がいるやら。

ともかくそれも含めて一時期のゲーム業界の情報なので、なるべく発掘して保存できたらと考えている。

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ゲーム資料紹介   2018/06/24   へほくん