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ゲームコントローラの歴史とデータベースの重要性

 今回は、先日作成したゲーム機コントローラ一覧のデータを分析し、そこからコントローラの変遷についてわかることを調べていきたいと思います。全体として言いたいのは、それなりのデータを用意すれば、ゲームの歴史について確かなことが言えるんじゃないかというデータベースの重要性についてです。

 当サイトはゲームの歴史を整理することに少しでも貢献したいという意図で進めているが、歴史に言及する際にいい加減な内容にならないようにするためには、扱うものの範囲を十分に絞ることが大事だと考えている。そして範囲を絞る仕方には2種類あって、扱う時期を限定するか、対象を限定するかである。前者は以前作ったポケモンブームの考察に前例があるが、今回は後者の、対象を絞ってみたらどれだけのことがわかるかということに挑戦してみたい。

 以下の分析の基礎となるデータとして使用するのは、先日完成した「特殊・専用コントローラ一覧」および「汎用コントローラ一覧」だ。これはこれまでにどれくらいのコントローラが出ているか何となく知りたくなって集めてみたものだが、いざできてみると結構なデータとして使えるように思えたので、実際にやってみることにした。コントローラに対象を絞った時に、果たしてどんなことがわかるだろうか。

 

ゲーム機コントローラの発売数の推移

 上記データテーブルは、個々のコントローラにいくつかの要素が紐付けされているために、統計的な分析にかけることができる。たとえば基本的な疑問として、コントローラがたくさん開発・発売されたのはいつ頃だったのかという問いに答えてみよう。

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先ほどの表から、このようなグラフが作れる。ここでは発売年が「不明」のものは除いてある。見ての通り、汎用コントローラは1995-1999年の期間に、特殊コントローラはその次の5年間にピークが来ており、両者の最盛期が異なるという結果となっている。では、このピークはどのハードによるものだろうか。次はハード順に分けてみよう。

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全体の中から上位12ハードを発売年順に並べ、複数ハード対応のコントローラはすべてに加算している。ここからわかるように、3種のPSハードが全体の多くを占めており、とりわけ特殊コントローラはPSハードに多い。そうなると、1995年から2004年にかけてのコントローラ発売のピークはPSとPS2によるものが大きいといえるだろう。また、DSは特殊コントローラのみだが、その数16と2005年以降の特殊コントローラの増加に貢献している(ここではセンサーつきカートリッジなどもコントローラに含めている)。

特殊コントローラの種類別の発売数推移

 今度は、この時期に多い特殊コントローラとはどのようなタイプだったのかを見てみよう。リストで11に区分した分類を2つに分けてグラフ化してみる。

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最初のグラフは主に物理的な操作に関係するコントローラを集めている。こちらも一目瞭然で、2000-2004年の期間にほぼ全カテゴリーの数が増加しており、ある種の体感ゲームのブームが来ていたことがわかる。特に音ゲーとその他実物再現(パチスロや釣りなど)のコントローラはこの時期にのみ増加している。他方で車や電車、飛行機の操縦コントローラは2010年以降、つまりPS3の時代にもそれなりの数存在している。音ゲーは減ったけどレースゲームはそれほどでもないというのは何か理由があるのだろうか(2000年代前半に音ゲーコントローラを出していたのはほとんどがコナミなので、コナミが以後ぱったりとコントローラを出さなくなったのが理由として最有力だろうが)。

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 2つ目のグラフは、絶対数が少ないものの1つ目とは少々異なる様子を示している。ネットゲームがプレイ可能になることによってマウス・キーボードが増えるのはともかく、どれも(ペンタブレットを除いて)右肩上がりの増加を見せているのだ。2018年後半-2020年までのデータはないので、最後で減っているのは仕方ないといえる。また、他の特殊コントローラが増える1995-1999の期間にマウス・キーボードや外部データ読取が一旦落ち込むのも面白い。体感ゲームに目が向いて変わったタイプの入力機構からは関心がそれたのだろうか。あるいは、1990-1994の期間に何かしらのパソコンブーム(あるいは、ゲーム機がPCに追いついてきたか)があったと見るのがいいのかもしれない。

メーカーごとのコントローラの発売数の推移

 さて、先ほどコナミの話が出たが、今度はコントローラのメーカーに着目してみよう。

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汎用コントローラに関しては、どの時代もホリ電機(HORI)の一人勝ちというか、非常に頑張ってくれている。イマジニアなど意外なメーカーも見られるが、世紀の変わり目を境にホリ以外のメーカーが入れ替わっているのが気になるところである。

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特殊コントローラは見事に2000年以後のブームを反映しているが、その直後にコナミ、タイトー、アスキーは急速に下落している。他方で任天堂が目立ってくるのは、Wiiの各種コントローラに加えDSでセンサー付きのソフトを発売しているからである。どちらのグラフも、2015年以降はホリ以外の会社がコントローラ製造からほぼ撤退しているのが心配になってくる。

 グラフからわかるのはだいたいこんなところだろう。これに加え、個々のデータを見ることでゲーム機の拡張に関するアイデアの端緒や広まりを知ることができる。たとえばコナミは作曲メインにせよ1987年の「ドレミッコ」で早くも音ゲーに着目していた、とか現在のアミーボに近いフィギュア読み取りはGBAの「冒険遊記プラスターワールド」ですでに考案されていたとかそういうことである。全体として、ファミコン初期あるいはそれ以前からかなり多様な操作形態のアイデアは存在していたにもかかわらず、どれも支配的となるには至らなかったことや、ハンドルやフライトスティック、ペンタブレットを早々に導入するなどセガのアイデアは先進的だったなどということもわかる。アナログコントローラは電波新聞社の「XE-1AP」が初なのかとか、年代が下るに従って「~対応コントローラ」というコラボ商品に近いが増えていっているところも気にかかるが、これを見るにはさらに細かい情報収集が必要だろう。

 汎用コントローラの表は、余裕があればもう少し情報を追加したいところだった。つまり連射がついているとか、アーケード再現のレバーを備えているとかそういう情報をである。このことは今後の課題に取っておきたい。

結論:データベースの重要性

 最後に結論として、今回の調査で例示できたと思われる、ゲーム史研究の際のデータベースの重要性について少し触れてみたい。それは、

  •  対象をテーマごとにリスト化することはデータ化であり、それは何かしらの分析のために役に立つ。
  •  対象の情報の中でも、年代に関するものはとりわけ重要。それ以外のディテールもわかる限り記載するといい。
  •  自分で設ける独自の分類も、適切なものであればさらなるデータとなる。今回の例であれば、特殊コントローラの種別がそれにあたる。

ということである。もちろん、今回の調査結果が完璧とは言えない。取りこぼしたものはもちろんあるだろうし、発売年に関してもネット情報のために不安は残る。ただし、それなりに数が集まっているために、ここで示したトレンドが見当外れな内容ではないということは確かだろう。それもデータの力といえるものである。なので当サイトでも、できるだけ有用なデータを提供できるよう努力していきたい。

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ゲーム研究  2018/10/20  へほくん
≪ 海外ゲーム雑誌紹介:RetroGamer173号 |  SNK対ホリ電機の裁判~サードパーティ製コントローラの販売の是非~ ≫

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