声に出して読みたい
断末魔
サハギン「日本語には、われわれの心を打つ、素晴らしい断末魔がたくさんあります。
本日はそんな名断末魔の数々をご紹介していきたいと思います。
選者は私、カイポ在住のサハギンと、魔界（断末魔の世界）随一のカリスマ魔人（断末魔を発する人）である、パラメキア皇帝さんです。
こうてい「よろしくお願いします。では早速、偉大な先人達が命を賭して詠まれた断末魔を、われわれの講評と一緒にお楽しみいただきましょう。
・ドラゴンクエストⅡ ハーゴンさんの断末魔
「ぐふっ！」
サハギン「まずは比較的オーソドックスな断末魔から見ていきましょう。魔界でも屈指の知名度を誇る断末魔がぐふっ！です。この作品の最初のセリフにもぐふっ！が入っていることからもわかるように、われわれの中では挨拶のようにこのぐふっ！は用いられています。彼の他にも、ゾーマさん、デスピサロさん、ジャミラスさんアクバーさんなどそうそうたるメンバーがぐふっておられます。
・ドラゴンクエストⅤ パパスさんの断末魔
「ぬわーーっっ！！」
こうてい「次第に増してきたぐふっ！のマンネリ感を打破するために身体を張ったのがパパスさんでした。うわー！だったら何の面白みもないところを、ぬにすることによって一ひねり加えたのが彼の技量の見せ所でした。
・ドラゴンクエストⅥ グレイス王さんの断末魔
「ぎょえーっっ！！」
サハギン「ラスボスより強い相手を呼んじゃったグレイス王がその場で思わず詠んだ一句です。こちらのシリーズのみなさんはなかなかポップな発想で楽しませてくれます。
・ファイナルファンタジーⅡ パラメキア皇帝さんの断末魔
「ウボァー」
サハギン「皇帝氏の遺作にして最高傑作の断末魔です。感嘆符を一切使わず、たった四文字の中にここまでやられちまった感を集約させた氏の技量が伺えます。あれだけ恐ろしい人物がここまでマヌケな発言をするというギャップも評価され、某作品では何度となく繰り返しこれが詠まれたほどの名句です。
・ファイナルファンタジーⅣ サハギンさんの断末魔
「うっ ぐぺぺぺぺーっ！」
こうてい「単なるザコモンスターだったサハギン氏が、魔界のスターダムにのし上がることになった名断末魔です。少し苦しんだかと思うと、わけのわからない言葉を発するという某拳法の犠牲者のような唐突さが魅力ですね。
・ファイナルファンタジーⅣ スカルミリョーネさんの断末魔
「グ・・・・パァー！」
サハギン「私の師であるスカルミリョーネ氏の断末魔は、嫌らしいキャラとはうって変わったマヌケな音で好評を博しました。おわかりでしょうか。われわれの流派はパ行の大胆な使用を得意としております。この句もパ行を巧みに入れることによって軽さが表現されていますね。
・ファイナルファンタジーⅣ ダークエルフさんの断末魔
「グガゲゴ！」
こうてい「濁音のみで構成された断末魔です。カエルみたいでもありますが、身体が変な方向に曲がっているような光景も目に浮かびますね。
・ファイナルファンタジーⅣ ゼロムスさんの断末魔
「グ…ズ…ギャァァァァム！」
サハギン「魔界の大御所ゼロムス氏の詠まれた断末魔です。効果音と断末魔が混ざったような表現が目を引きますね。最後のムが無ければここまで素晴らしい一句とはなっていなかったでしょう。
・ファイナルファンタジーⅤ エクスデスさんの断末魔
「うごごご！」
こうてい「無とはいったい・・・のセリフから流れるように繋いだエクスデスさんの断末魔です。今までにない、まったく新しいスタイルに挑戦されてます。
・ファイナルファンタジーⅧ サイファーさんの断末魔
「ぎにゃぁぁぁぁ！！」
サハギン「主人公のライバルであったサイファーさんは、この直前に見事な腕前を披露するのですが、その矢先にこうなりました。まるで猫かと思うような声を突然上げる氏の技量に驚かされます。その後無事で良かったですね。
・聖剣伝説 ジュリアスさんの断末魔
「ぐぼォォォォ‥‥」
こうてい「ラスボスである彼が最期に放った言葉がこれ、と見せかけてまだ次があるという、フェイク断末魔の一種です。文字送りがスローになってゆっくり表示されるのが風情がありますね。
・聖剣伝説２ タナトスさんの断末魔
「はうぅっ！‥クッ、し、しまった‥うぐぐぐ、げぶっ
かっ、体がくちはてる！‥ううっ‥た、たすケふぇ‥ぐええ‥
‥お、おのれぇぇ‥うおおおぉぉぉ‥」
サハギン「長い！長すぎる！といった感じですが、セリフの合間に様々な断末魔が詰め込まれてます。彼はこの後乗り移って元気に復活しますが、たすケふぇのインパクトは相当なものですね。
・聖剣伝説３ 竜帝さんの断末魔
「（くはッ！そ、そんなバカな…超神が死ぬなん…グオォッ…」
こうてい「今回の選集では言葉として理解できる箇所はできるだけ外しましたが、タナトスさんと竜帝さんの句は流れを重視し全て収録させていただきました。くはッ！というかわいさと、グオォッのコンパクトさが目立ちます。密かに心の声なのも注目点です。しかし超神とは・・・ビビューンでしょうか。
・サ・ガ３ ドグラさんの断末魔
「ぐっ ぐふ！」
サハギン「従来のぐふっに比べてスピード感を増したタイプの一句です。ドグラさんの面白いところは、通常締めの一言であるはずのぐふっの後に、まだ少し話せる余地があった点ですね。
・サ・ガ３ フェンリルさんの断末魔
「…………グヘッ！」
こうてい「突然、言葉に詰まったかと思えばこの一句です。どうやらこの世界の魔人の方々は「グ」がお好きなようですね。この句は後に意外なところでも詠まれます。
・サ・ガ３ ラグナさんの断末魔
「グホッ にんげんごときに…………」
サハギン「一言で人間でない何かだとわかるラグナさんの辞世の句です。このようなシンプルさにも関わらず、ラスボスだというのが着目すべき点ですね。
・ロマンシングサ・ガ２ クジンシーさんの断末魔
「ひ ひげー」
こうてい「ありそうでなかったタイプの断末魔です。ひえーに限りなく近くとも、そうではないところが非日常性を醸し出しています。
・ロマンシングサ・ガ２ ボクオーンさんの断末魔
「ほびー」
サハギン「一つ前のものと似ていますが、どう考えても言わないだろうという線を見事に突いた一句です。英語みたいに聞こえるところにもボクオーンさんの技巧を垣間見れます。
・ロマンシングサ・ガ３ ツァオガオさんの断末魔
「ヒェーーー」
こうてい「自らの呼び出した魔物と共にどこかへ行ってしまうという、実にスピーディーな場面で飛び出した一句です。戦って敗れたタイプではないですが、こういうのもいいですね。
・ガンハザード ナヴァル要塞司令官さんの断末魔
「うぐわーーーっ！」
サハギン「斬新な表現で魔界に新風を巻き込んだこの一句は、ヴァンダルチャリオット操縦者の彼によって生み出されました。その後も類似の表現が大流行しまして、うぐわっ！や、むぐわああっ！！などの派生形が詠まれることとなりました。
・ガンハザード ビショップさんの断末魔
「そんな・・・バカなぁぁぁっ！」
こうてい「断末魔に限らず数々の名句を残したビショップさんの最期の言葉です。断末魔としては標準的なものですが、彼の知名度を考慮して選出させていただきました。
・ガンハザード ホセさんの断末魔
「ノォォォォォーッ！！」
サハギン「ソサエティ兵器開発部門の最高責任者、ホセ氏の一句です。特徴としては、本人の意図しないタイミングでの断末魔だということでしょうか。とはいえ、そもそも断末魔を意図して上げる人はいないでしょうね。
・ダークハーフ バムさんの断末魔
「こるのお わるしい が あ まけ るう は ずるがああ
なるあるあいいいいいい
うやうういううういううう そそめ そそやそそそたそお
だああろああだあああいあ ああああああ・・・おおお」
こうてい「登場人物のほとんどが断末魔を詠むという、ものすごい世界からバムさんの最期の言葉です。うんざりするほど長いですが、その訳のわからなさにおいては出色の出来でしょう。
サハギン「いかがでしたでしょうか？この他にも、まだまだ素敵な断末魔がたくさん詠まれていることでしょう。みなさんも、最期にはこのような断末魔を上げられるよう、日頃から準備を欠かさないといいでしょう。それでは、おなじみの言葉でお別れしたいと思います。それでは！
こうてい「ウボァー
サハギン「うっ ぐぺぺぺぺーっ！
